はじめてのカレカノ
二度目の出会い
バレンタインデーの放課後。
クラスの男の子たちはチョコをいくつ貰ったかを嬉しそうに競っていて、
「立花はくれないの?」
なんて催促してくる男子もいたりして、
「バレンタインは本命の人にしかあげないことにしてるの。義理はあげない」
「へぇ、彼氏いたんだ」
なんて会話を未菜に聞かれて、
「結月はね、義理チョコはあげないんだよね。本命チョコしか持ってきてないもんねー。あ、でも彼氏はいないよ、この子」
ん?なんか彼氏がいないって暴露されてない?
「そっかー、立花には片想いしてるヤツがいるのかー、なんかショックだな」
なんて男子に言われて。
これ以上未菜にも男子にも突っ込まれたくないから
「私、用事あるから帰るね。またね、未菜。部活頑張って!」
「ふふっ、用事ねぇ。まあいいわ。またね結月」
私は慌てて教室を抜け出して、校舎の脇にある自転車置き場に向かった。
自転車の籠にカバンを載せ、「ふぅ」と短いため息をつき、私はいつも通りスーパーへ買い物に向かった。