はじめてのカレカノ

「結月、気が付いた?頭はどう?」

心配そうに私の顔を覗いているのは高槻先輩。と、陽人。

後ろには未菜もいて。

「良かったー、結月。具合はどう?」

未菜に聞かれて、

「う、うん、大丈夫だよ。クラスマッチは?」

「もうすぐリレーが始まる頃かな」

そっか。私が保健室に来てそんなに時間は経っていないんだ。

「あ、じゃあ陽人も未菜も行って。私なら大丈夫。元気だよ」

「俺はここにいる。リレーなんてどうでもいいよ」

陽人がそんな風に言うけど、

「陽人、ダメだよ。陽人の代わりに誰かに走ってもらうなんて迷惑掛けちゃうでしょ、行ってきて。未菜もだよ。リレーメンバーでしょ?」
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