はじめてのカレカノ
「あの、高槻先輩。グラウンドで大騒ぎになってるって、何ですか?」
「さぁね。それより、本当になんともない?」
あっ!そうだ、大玉にダイブして気を失ったんだ、私。
・・・ってことは、高槻先輩に迷惑掛けた?
高槻先輩、どんな顔で私を見てるの?
怖くて布団を鼻の上まで持ち上げてから、恐る恐る高槻先輩の顔を見ると、先輩と目が合った。
あれ?高槻先輩、怖い顔してない。
「た、かつき、先輩?ごめんなさい」
「もう大丈夫なの?」
「はい、たぶん。頭は少し痛いですけど、大丈夫です」
「はぁーーーーっ。もうさ、マジなんなの。俺の心臓、本当に持たない。大玉だったら転ぶ心配がないと思ってたのに。二人三脚は絶対転ぶでしょ、結月」
「そうですね、何やっても転びますね、私」
「結月、少し話せる?」
「はい」
「じゃあ、まず布団で顔を隠すのやめて」
渋々布団を顔から下げて、上半身を起こした。