はじめてのカレカノ
「うーーん、大分苦労したぞ、俺。 彩耶、泣き叫ぶし。なんであの子なのよー、とか言って。女に目の前で泣かれるの、ヤバいな。好きな子に泣かれるのとは違うんだよ。もうさ、理不尽な修羅場?謝るのもなんか違う気がしてさ。そしたら最後に彩耶が言った一言が
『私、翔に告白したことあった?なんで私が振られてるみたいになってんのよ、勝手に幸せバカになってろっつーの!』
だって」
「岡崎先輩らしいね。翔、頑張ったね。」
「俺、頑張った。ちゃんと最後に“ありがとう”って言えた」
「ふふふっ、翔ってさ、ホントは私より年下でしょ?全然先輩に見えないんですけど」
「だってさ、本気で怖かったんだぞ、彩耶の顔!」
「あー、それ分かる。美人さんが怒ると鬼になるよね」
「結月は全然鬼にならないのな!」
「どーいう意味ですか。ふんっ」
「結月、あとでちゃんとご褒美頼むね」
そう言って翔は人差し指で自分の唇をツンツン指した。
「・・・・ばかっ!」