はじめてのカレカノ

修学旅行前日の夜、翔からのお誘いを受けて、二人でおしゃれなカフェに
来ている。

店内はアンティークで統一されていて、高校生には背伸びしないと入れない
ような雰囲気のカフェ。

食後のコーヒーを飲んでいるとき、翔がテーブルの上に手を伸ばしてきて私の両手をテーブルの上で握る。

て、照れますが。

「結月、明日からの沖縄、楽しんできてね。俺、寂しいけど」

「すぐ帰ってくるよ。たった2泊3日だよ。お土産買ってくるね」

「行く人より残された人の方が寂しいんだ、絶対」

「そんなことないよ、私だって翔と離れるの寂しいよ」

お互いにどちらがより寂しいかを競っているなんて、

これが岡崎先輩の言う“バカップル”?
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