はじめてのカレカノ

「修学旅行なんだけどね、学校からバスで空港まで行くでしょ。それから飛行機に乗るでしょ。沖縄に着いてからバス移動でしょ。帰りも同じなんだよね」

「そんなの知ってるよ。俺も去年同じコースで行ってるし」

「それ全部二人席なんだよね」

「うん」

「私のクラスって男子も女子も奇数なの」

「・・・・。」

「だから必ず1組は男女のペアを作らなきゃダメでね」

「やめて、結月。なんで?なんでそれが結月なの?」

「察しがいいですね」

「はぁ~。それダメだから。絶対」

「でもね、決まっちゃった」

「で、隣は誰なの?」

「うんとね、白井くんっていう子」

「結月はその白井と仲が良いの?」

「ううん、ほとんどしゃべったことない」

「じゃ、旅行中も全くしゃべらないで」

「そ、そうだね。そうするよ・・・。」

そんな事、無理だけどね。

落ち込む翔をどうにかなだめて、カフェを後にした。
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