平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
リズは、戸惑いがちにスカートをならして座った。その隣に彼が「よいしょ」と腰掛ける。
「あいつ、昼間はよく寝るんだ」
「寝る……? それって、あの大きな獣?」
慎重に確認すると、少年が灰青色の目を向けて「そ」と言った。
「休む姿勢で目を閉じると、どういうわけか、しばらくの間は元の山狼の姿に戻ってる。目覚めると、また身体が大きくなる」
まるで魔法みたいな話だ。
リズは、『元の山狼の姿に戻る』というのが実感できなかった。ここは慎重に、ひとまず話してくれている彼に尋ねてみる。
「あなた、いくつ?」
「俺は十五歳だよ。お姉さんは?」
「私は……十七よ」
十五歳の少年が、山賊のように金品をたびたび盗って生活している。そのことに驚きながらも、どうにか答えた。
すると少年が、楽しげに下からリズを覗き込む。
「お姉さん、名前は?」
「私? リズよ」
「そっか、やっぱりそっちがお姉さんの名前だよね。さっき獣騎士団の人と一緒にいた時『リズ』って呼ばれてたし――あ、俺はシモンだよ」
あっさり名前を教えられて、リズは目を丸くする。
そこまで答えてくれるのか。けれど途中の彼の言葉が気になった。まるで別の名前である可能性を想定して、確認したみたいにも思える。
「あの、そもそもどうして私に……?」
「あいつ、昼間はよく寝るんだ」
「寝る……? それって、あの大きな獣?」
慎重に確認すると、少年が灰青色の目を向けて「そ」と言った。
「休む姿勢で目を閉じると、どういうわけか、しばらくの間は元の山狼の姿に戻ってる。目覚めると、また身体が大きくなる」
まるで魔法みたいな話だ。
リズは、『元の山狼の姿に戻る』というのが実感できなかった。ここは慎重に、ひとまず話してくれている彼に尋ねてみる。
「あなた、いくつ?」
「俺は十五歳だよ。お姉さんは?」
「私は……十七よ」
十五歳の少年が、山賊のように金品をたびたび盗って生活している。そのことに驚きながらも、どうにか答えた。
すると少年が、楽しげに下からリズを覗き込む。
「お姉さん、名前は?」
「私? リズよ」
「そっか、やっぱりそっちがお姉さんの名前だよね。さっき獣騎士団の人と一緒にいた時『リズ』って呼ばれてたし――あ、俺はシモンだよ」
あっさり名前を教えられて、リズは目を丸くする。
そこまで答えてくれるのか。けれど途中の彼の言葉が気になった。まるで別の名前である可能性を想定して、確認したみたいにも思える。
「あの、そもそもどうして私に……?」