平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
その時、ジェドが大きく溜息をもらした。頬にあてられた手の温もりに驚いた拍子に、リズは涙が引っ込んだ。
思慮深い彼の眼差しが、目を覗き込んでくる。
「お前は少し鈍いところがあるから、伝える。俺はお前に怒ってない。入り口にお前の姿がないのを見た時、どんなに心配したか分かるか」
「あっ……」
言われて、リズは気付く。
「お前は、十七歳の女の子なんだ、リズ」
「ご、ごめんなさい。私……」
「お前がいつも頑張っているのは知ってる。今回のことだって、通常ならよくやったと褒めてやれるだろう――でも、俺はとても心配した」
俯く頬を撫でられる。落ちた春色の髪を耳にかけられて、リズは指先から伝わってくる優しさに胸が詰まった。
彼が部下を大切にしていることは、知っている。
それなのにリズは、一人で行動して心配をかけてしまったのだ。
「ごめんなさい、団長様。もう勝手にいなくなったりしません」
「いや、俺がそばにいれば済む話だ。お前らしく頑張ってくれていい」
「へ?」
「俺も手紙をもらって――改めるまでもなく、とうに覚悟を決めているんだ」
手を取られて、優しく立ち上がらされる。
手紙って、なんの……?
先日、彼の両親から来た手紙のことなど浮かぶはずもない。唐突な独り言のようにも聞こえたリズは、戸惑いながら彼を見上げた。
思慮深い彼の眼差しが、目を覗き込んでくる。
「お前は少し鈍いところがあるから、伝える。俺はお前に怒ってない。入り口にお前の姿がないのを見た時、どんなに心配したか分かるか」
「あっ……」
言われて、リズは気付く。
「お前は、十七歳の女の子なんだ、リズ」
「ご、ごめんなさい。私……」
「お前がいつも頑張っているのは知ってる。今回のことだって、通常ならよくやったと褒めてやれるだろう――でも、俺はとても心配した」
俯く頬を撫でられる。落ちた春色の髪を耳にかけられて、リズは指先から伝わってくる優しさに胸が詰まった。
彼が部下を大切にしていることは、知っている。
それなのにリズは、一人で行動して心配をかけてしまったのだ。
「ごめんなさい、団長様。もう勝手にいなくなったりしません」
「いや、俺がそばにいれば済む話だ。お前らしく頑張ってくれていい」
「へ?」
「俺も手紙をもらって――改めるまでもなく、とうに覚悟を決めているんだ」
手を取られて、優しく立ち上がらされる。
手紙って、なんの……?
先日、彼の両親から来た手紙のことなど浮かぶはずもない。唐突な独り言のようにも聞こえたリズは、戸惑いながら彼を見上げた。