平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
すると両手を取っているジェドが、不意に柔らかな苦笑をこぼした。

「いつも突拍子もない行動をやってのけるんだ、今更驚かないさ。俺が、とことんお前に付き合うことにしよう」

その言葉に、胸の奥がまた温かな脈動を打った。

やるなとは言わず、リズを肯定してくれている。まるで、ずっとそばにいてくれると言われているみたいだ。

こちらを見つめるジェドの目は、温かに微笑んでいる。

リズは手を離される最後の一瞬まで、彼から目をそらせなかった。

自分の中で、どんどん彼の存在が大きくなるのを感じた。彼は婚約予定という偽りの設定を、本当に事実にしたいと思ってくれているのか……?

「たとえ年下だとしても、十五歳なら、リズさんよりも力の強い少年です」

その時、コーマックの吐息交じりの声が聞こえた。ハッと振り返ると、心配したような彼の目と合った。

「僕も、何かあったのではないかととても心配しました。エリーたちの気配もなく、一体どこへ行ってしまったのかと」

普段、相棒獣の名前を口にしない彼が、『僕の相棒獣』ではなく『エリー』と呼んでいる。

それくらいに心配したのだとリズにも伝わってきた。

「団長の言う通り、リズさんは年頃の女性なのですから。たとえ少年だろうと、見知らぬ異性に付いて行くのは危ないですよ」

「うっ、すみません、副団長様……気を付けます」

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