平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
そんな言葉を隠して、ジェドは可愛げのない言葉を口にした。

さらりと髪を横に撫で梳くと、リズの寝顔をじっくり見つめた。その表情は、とてもあどけない。

小さな呼吸をもらす唇に、つい目が吸い寄せられる。

このまま、口付けてしまってはいけないだろうかと、そんなよこしまな思いが過ぎる。自分の唇で、彼女の呼吸音を遮ることを想像した。

彼女の唇は、きっと熟れた果実みたいにとても柔らかくて、しっとりと湿ってくる吐息さえも甘美だろう。

「リズさんには、少し無理をさせてしまったところもあるんでしょうね」

コーマックの声が聞こえて、ジェドはさりげなく撫でる手の動きを戻す。

先程からずっと、身体の奥は満たされない熱が疼いて仕方がない。だが幼馴染の彼の存在が、ジェドをどうにか踏みとどまらせてくれていた。

「そうだな」

そっけなく答えると、コーマックが小さく笑う。

「非戦闘員なのに、獣騎士団の一員として本当に頑張っていますよね。うちは、今やリズさんなしでは回らないです」

「年中人員不足だというのに、リズだけで三人力だな」

「はい。たまに相棒獣たちの方も見てくれるので、助かっています」

「そのたび、カルロがちょっと嫉妬するんだけどな。よく俺が文句を言われる」

「それくらいは我慢してください。団長と似たようなもんでしょ」

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