平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3


大粒の雨音が聞こえる。

頭を撫でられる気持ち良さにまどろんでいたリズは、それに気付いた途端ハッとした。いつの間にか土砂降りになっている。

「きゃああああっ!? カルロが濡れちゃう!」

思わずガバリと起きたリズの頭が、ジェドの顎にクーリンヒットした。

ゴッチンと大きな音が上がった。

「うぐっ」

衝撃を受けた直後、上からそんな男の呻きが聞こえた。

気のせいでなければ、ジェドの声だった。でも痛くてリズもしばらく頭を押さえて呻いていた。

気付いたコーマックが、向かいの席から慌てて言ってくる。

「ちょ、君たち何をやっているんですかっ」

「わ、私も何がなんだか……」

痛みをこらえながらどうにか答えた。目を向けてみると、そこに顎を押さえているジェドの姿があった。

も、もしかして……寝過ごしたうえ頭突きかました!?

「す、すすすすすみません団長様!」

「いや、いい。……天罰があたった気がする」

「へ?」

そこで、リズは近くにいる彼に気付いた。いつの間に移動されたのか、触れられる距離にジェドがいる。

なんで、どうして彼がこっちにいるの?

じわじわと顔が熱くなってきた。するとコーマックが、リズの不安を解消するように教えてきた。

「カルロたちは大丈夫ですよ。それに、少しの通り雨ですから」

「でも、こんなに降っているのに」

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