平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
カルロが、また地面にガリガリと掘った。

リズは不思議に思いながらも、それに従った。するとカルロと相棒獣が、ほぼ同時にぶるるる!と激しく身振るいした。

水気が飛んできて、リズは腕で身をかばった。

だが直後、二頭の毛がぼふんっとするのが見えた。もっふもっふになった姿を、彼女はポカンと見つめた。

すごくもふもふだ……しかも、かなり水気が飛んでしまっている!

「まぁ」

リズは、遅れて目を丸くした。次第にその赤紫色(グレープガーネット)の目が見開かれ、感激した様子でキラキラと輝いていく。

それを、ジェドとコーマックがじっと見ていた。

屋敷から出てきたベルベネット子爵が、執事に止められて、

「え、これどんな状況?」

ニヤけた顔でそう言った。

その時、リズの興奮が爆発した。頬を恋する乙女のごとく上気させ、満面の笑顔の可愛らしい表情で手を握る。

「すっ、素敵すぎる! このままブラッシングしたい――うわっ」

「そんな時間ない。今は我慢しろ」

ジェドが、リズの後ろ襟を掴まえて屋敷へと連行する。

すっかり白獣重視の立派な獣騎士団員になったものだ。苦笑しつつ呟いたコーマックが、カルロとエリーと一緒にあとに続いた。



◆§◆§◆



いったん、人払いがされたサロンでカルロたちの世話にあたった。乾かしている間に、ベルベネット子爵が獣騎士団へ伝書鷲を飛ばしてくれた。

< 125 / 192 >

この作品をシェア

pagetop