平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
「ほぉ。獣騎士がそばにいれば、この距離でも大丈夫なんですねぇ」

「まぁな」

サロンの中央、テーブル席のソファでくつろぐベルベネット子爵に、同じく紅茶休憩に入ったジェドが答えた。

「こんなに近くで拝見したのは、初めてです。ふふ、優雅なものです」

ベルベネット子爵は、大きな窓の手前でようやく落ち着いたカルロたちを、興味深そうに眺めていた。ずっと見飽きない様子だ。

タイミングを見計らって淹れてもらえたので、紅茶は温かい。ほんのりと優雅な花の香りも漂っている。

リズは向かい合った長ソファの間の、一人掛け用ソファでホッと一息つけた。

外は濡れているからと、いったんサロンへ入室させてもらえたのだ。その配慮には感謝しかなく、改めてお礼を述べてしまう。

「子爵様、カルロたちもありがとうございます」

「いえいえ、別室に隔離してしまったら、君が心配しそうでしたからね。私は女性の顔を曇らせることは、しない男です」

にっこりとベルベネット子爵が美しい笑みを浮かべる。

困ったコーマックの苦笑いの隣で、ジェドが鼻白んだ。

「胡散臭い顔だ」

「団長様……」

言いすぎだと思って、リズは思わず呟いた。

「ふふふ。いえ、いいんですよ、よく言われます」

「え」

「それと、私は白獣を近くで拝見したかった」

ニヤけ顔をそらしたベルベネット子爵に、ジェドが目敏く注意する。

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