平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
「ただのたとえ話ですよ。白獣が群れを外れて、グレインベルトからこんな遠い地まで来るだなんてないでしょう?」
そう言われて、確かにそうだと気付く。
でも一瞬、リズは大きな白い獣が一頭だけ、必死に走り続けている光景が頭に浮かんでしまったのだ。
一体どうしてか分からない。それっぽい夢を見たような、見なかったような……そう思っている間に、ベルベネット子爵の声がした。
「遠い昔に終わったはずの一頭。その白獣の怨みが、ここにきてようやく幕を下ろすことになるのも同然です」
向こうで聞き耳を立てているカルロが、寝そべりつつ片目を開けて見ている。
「そうすると、ここにいる我々は歴史的な目撃者の一人だ。ですから、その場に居合わせることができのたは光栄ではないか、と、私は考えるわけです」
――グレインベルトと白獣の、長い歴史。
それは気の遠くなるような話であると、リズは先日にニコラス殿下たちから聞かされて感じてもいた。
「なるほど。楽観的だな」
「言ったでしょう、私は好奇心が強い男なんですよ」
嘆息したジェドに、ベルベネット子爵はあっけらかんと答える。
人間に、絶対懐かない白獣。
大昔、彼らは『荒らぶる神の番犬』として恐れられていた。人間の敵だった白獣を、初代グレイソン伯爵が共に戦っていくと今の関係を築き上げた。
そう言われて、確かにそうだと気付く。
でも一瞬、リズは大きな白い獣が一頭だけ、必死に走り続けている光景が頭に浮かんでしまったのだ。
一体どうしてか分からない。それっぽい夢を見たような、見なかったような……そう思っている間に、ベルベネット子爵の声がした。
「遠い昔に終わったはずの一頭。その白獣の怨みが、ここにきてようやく幕を下ろすことになるのも同然です」
向こうで聞き耳を立てているカルロが、寝そべりつつ片目を開けて見ている。
「そうすると、ここにいる我々は歴史的な目撃者の一人だ。ですから、その場に居合わせることができのたは光栄ではないか、と、私は考えるわけです」
――グレインベルトと白獣の、長い歴史。
それは気の遠くなるような話であると、リズは先日にニコラス殿下たちから聞かされて感じてもいた。
「なるほど。楽観的だな」
「言ったでしょう、私は好奇心が強い男なんですよ」
嘆息したジェドに、ベルベネット子爵はあっけらかんと答える。
人間に、絶対懐かない白獣。
大昔、彼らは『荒らぶる神の番犬』として恐れられていた。人間の敵だった白獣を、初代グレイソン伯爵が共に戦っていくと今の関係を築き上げた。