平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
「でも、不思議ですよね。白獣は、必ずその〝約束〟のもと、グレイソン伯爵の言葉に聞き従う」
ベルベネット子爵が、リズたちを見渡して目で笑った。
「そこにも私は、好奇心をつつかれます。実に面白い」
「面白い……?」
リズが小首を傾げると、微笑ましげにベルベネット子爵が動きを真似た。そばで拳を振り上げかけたジェドを、コーマックが止める。
「それは白獣が、高い知能を持ち合わせている証拠だと思うのです。彼らは、我々人間と同じく、先に産まれた白獣から歴史を継承しているからではないか――と、私は考えるわけです」
リズは、ベルベネット子爵の考察に感心した。
そうでなければ、白獣たちは『グレイソン伯爵』を知らないままだろう。町に縦横無尽に降りてきて騒がせることもしていない。
と、そこでベルベネット子爵がジェドを見た。
「どうなんですかね、グレイソン伯爵? おや、拳を固めてどうしました?」
「なんでもない」
ジェドが力を抜いて、足を組み直した。
どうにか彼を座らせ続けていたコーマックが、そばで額の汗を拭う。何やら静かな一悶着があったのを察したリズは、無言で合掌した。
向こうにいる彼の相棒獣が、思う表情を浮かべて見守っている。
それに対して、カルロは組んだ前足に顎を乗せ知らんぷりだ。
ベルベネット子爵が、リズたちを見渡して目で笑った。
「そこにも私は、好奇心をつつかれます。実に面白い」
「面白い……?」
リズが小首を傾げると、微笑ましげにベルベネット子爵が動きを真似た。そばで拳を振り上げかけたジェドを、コーマックが止める。
「それは白獣が、高い知能を持ち合わせている証拠だと思うのです。彼らは、我々人間と同じく、先に産まれた白獣から歴史を継承しているからではないか――と、私は考えるわけです」
リズは、ベルベネット子爵の考察に感心した。
そうでなければ、白獣たちは『グレイソン伯爵』を知らないままだろう。町に縦横無尽に降りてきて騒がせることもしていない。
と、そこでベルベネット子爵がジェドを見た。
「どうなんですかね、グレイソン伯爵? おや、拳を固めてどうしました?」
「なんでもない」
ジェドが力を抜いて、足を組み直した。
どうにか彼を座らせ続けていたコーマックが、そばで額の汗を拭う。何やら静かな一悶着があったのを察したリズは、無言で合掌した。
向こうにいる彼の相棒獣が、思う表情を浮かべて見守っている。
それに対して、カルロは組んだ前足に顎を乗せ知らんぷりだ。