平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
そうしていると、二人より随分年上の男性感が漂う。

リズが感心しきりで見守っていると、彼が再び口を開く。

「白獣が知っているというくらいですから、伯爵家か、それとも獣騎士団、もしくは元の獣戦士部隊に関わる女性名だったのでしょうかねぇ」

「俺が知る限りでは、リズが獣騎士団で初めての女性団員だ」

キパッとジェドが答えた。

その時、ベルベネット子爵が表情を戻した。「おや?」とのんびり笑顔を浮かべて、リズを見る。

「どうかされましたか?」

「いえ。ベルベネット子爵様って、すごいなぁと思いまして」

「ははは、君は素直ですね。そして羨ましがっているみたいだ」

言い当てられて、リズは少し恥ずかしくなった。

彼みたいに、ジェドやコーマックの力になれたらとちらりと思った。でも、なんで分かるんだろう?

「全部顔に出ているからですよ」

「えっ」

「それから君みたいな心が真っ白な子は、全て目に出るものです」

ティーカップの中身をこぼさないよう、彼が足を組み替える。優雅な仕草は、軍人であるジェドとはまた違った柔らかな品に溢れていた。

「でもね、私のように知恵も働く目敏い人間ではなく、時には君のような純心な目で物事を見る人間も、とても必要なんですよ」

ベルベネット子爵は、しっかりとした声で言う。

「それが、時には、何者かの大きな救いになったりします」

何者かの。

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