平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
相手となる獣騎士も同じだ。ジェドが長らく相棒が見付からなかったのは、引き出す能力が高すぎることが白獣に負担になったから。
――シモンの場合は、その逆なのだ。
「戦闘獣が、相棒騎士にと相手を探すのは相性だけじゃない。……相手のことを考えるからこそ〝慎重に選んでくれる〟ところもある」
何も分からないまま、魔力を繋げて騎獣している十五歳のシモン。
リズは、語っていた彼の顔色が悪かったことを思い出す。それは、とても苦しそうにもしていて――。
『デカい流れみたいのがガツンッと中に入ってくる』
『すげぇ頭が痛くなる』
もし騎獣しているその獣の方に、相手への尊厳も、相棒としての思いもなかったとしたら?
想像してリズはゾッとした。
相手の亡霊は、恐らく普通の獣騎士が扱うのも難しい強い白獣。対するシモンは、訓練の一つだって積んでいない獣騎士候補だ。
両者のバランスが少しでも崩れれば、必ず負担となる。
――そして、その比率が大きく開くほど危険なのだと想像できた。
◆§◆§◆
ジェドから行動開始の号令が放たれた直後、獣騎士たちは騎獣で一斉にベルベネット子爵別邸を飛び立った。
戦闘獣が白い大きな身体を躍らせて、午後の日差しも和らぎ出した空を背景に、山の上を飛行する。
リズを前に乗せ、カルロに騎獣したジェドが先頭を飛ぶ。
「亡霊だが、魔力もいっちょ前らしいな」
――シモンの場合は、その逆なのだ。
「戦闘獣が、相棒騎士にと相手を探すのは相性だけじゃない。……相手のことを考えるからこそ〝慎重に選んでくれる〟ところもある」
何も分からないまま、魔力を繋げて騎獣している十五歳のシモン。
リズは、語っていた彼の顔色が悪かったことを思い出す。それは、とても苦しそうにもしていて――。
『デカい流れみたいのがガツンッと中に入ってくる』
『すげぇ頭が痛くなる』
もし騎獣しているその獣の方に、相手への尊厳も、相棒としての思いもなかったとしたら?
想像してリズはゾッとした。
相手の亡霊は、恐らく普通の獣騎士が扱うのも難しい強い白獣。対するシモンは、訓練の一つだって積んでいない獣騎士候補だ。
両者のバランスが少しでも崩れれば、必ず負担となる。
――そして、その比率が大きく開くほど危険なのだと想像できた。
◆§◆§◆
ジェドから行動開始の号令が放たれた直後、獣騎士たちは騎獣で一斉にベルベネット子爵別邸を飛び立った。
戦闘獣が白い大きな身体を躍らせて、午後の日差しも和らぎ出した空を背景に、山の上を飛行する。
リズを前に乗せ、カルロに騎獣したジェドが先頭を飛ぶ。
「亡霊だが、魔力もいっちょ前らしいな」