平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
終章 そして、事件の終わり
用意を整えたのち、全員が騎獣した。リズはジェドが、シモンはコーマックが自分の相棒獣の前に乗せた。
「さぁ、帰るか」
「ベルベネット子爵への挨拶は、しなくて良かったんですか?」
「あとで知らせは出すと言ってある」
カルロに騎獣したジェドが、いらんと手で振って答えた。屋敷での二人を思い出して、リズとコーマックは少し笑ってしまった。
騎獣した獣騎士団は、ジェドの合図でその場から飛び立った。
相棒獣たちは駆けるように空へ向かい、あっという間に上空飛行へと入る。
「もふもふだなぁ」
こんなに高く飛んだことはなかったのか。眼下を呆けて眺めていたシモンが、コーマックの相棒獣に目を戻して言った。
その眼差しが、ふっと遠くでも見るようにぼんやりとする。
「俺、戦闘獣に乗っているとか、夢みたいだ」
「夢ではなく、現実ですよ。君が騎獣していた亡霊も白獣だったのですが……」