平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
「亡霊だから空を飛ぶんだろうな、て思ってたんだ」

シモンが手元でふもふもと撫でる。

「俺が乗っても、平気なの? あんたの相棒獣なんでしょ?」

「君は獣騎士になれる人間ですから、大丈夫なんですよ」

コーマックが分かりやすく述べた。

しかし、シモンは実感がないらしい。しばらくうーんと考え、灰色の髪を風に揺らしていた。

「つまり、俺、どうしたらいいの?」

あえて彼が考えているのを待っていると、シモンがジェドに質問を投げた。

「お前は獣騎士候補だ。うちで獣騎士として研修してもらう」

「それってさ、訓練ってやつ?」

「訓練はその次だ。白獣と獣騎士のことを学びながら、獣騎士団での仕事を覚えてもらうのが研修の目的でもある。それから縁があれば――」

そこでジェドが、違うなと頭を振った。

「いや、お前は相棒になる白獣と必ず出会えるだろう。何せ、あの強い白獣の亡霊が、無意識にも選んだ〝未来の獣騎士〟なんだからな」

不運か、偶然かは分からない。けれど遠い地で白獣が亡霊として蘇り、シモンと出会って死者も出さなかったのは奇跡にも等しい。

その縁は、まるで運命にも感じた。

シモンが落ち着かなさそうに目を落とした。

「あの、さ」

「なんだ」

やがてシモンが、もじもじと言葉を切り出した。

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