平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
動けないでいると、耳元にジェドが唇を寄せてきた。

「リズ、答えて」

「うっ、その……はい」

いつの間にか空気が変わっている気がした。どこか、甘い、とも感じて、じわじわと顔が熱くなってくる。

「だから別邸で同じ部屋になった時、もっと意識したのか?」

「そ、その、それもあります」

リズは耳に触れる吐息にドキドキして、とうとう白状した。

「自分の家で久しぶりに眠った時、カルロと一緒にいられないんだなって、ふと、とても寂しくなってしまったんです。団長様のご両親のところでは、一緒に寝ることもできたのに……そんなことも、できないんだなと」

思い出したら胸がきゅっとした。

その時、聞き耳を立てていたカルロが、不意に尻尾を寄越してきた。リズはこちらを見た目に察した。

「え? もしかして何か言っているの?」

「カルロは『自分も一緒に寝られる時間を気に入っている』と言っている」

ジェドが教えてくれた。

たまらず胸に思いが込み上げて、リズは目が潤んだ。

「カルロ。私、あの日の夜、とても寂しかったの。ずっと、ああやって三人で一緒にいられたらって」

そう答えて、ハタとする。

リズは、自分が抱いた願いの中にジェドも含まれていることに気付く。カルロだけじゃない、彼もいて初めてその寂しさは消えてくれるのだ、と。

支えてくれている腕に、ぎゅっと力が込められるのを感じてハッとした。
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