平凡な私の獣騎士団もふもふライフ３
そう、先程ジェドが亡霊に告げていた言葉が脳裏を過ぎった。あれは紛れもなく彼の本心だった。

そんなことを考えていると、彼の言葉が耳に入って心臓がはねた。

「リズ、俺のところに嫁いでこないか？」

びっくりして、リズは潤った赤紫色(グレープガーネット)の目を見開いた。

嫁ぐ。その言葉に、もう胸は速鐘を打ってしまって声が出なくなった。すると察したように、ジェドが肩まで抱いて目を覗き込んできた。

「お前は鈍いから、しっかり伝えようと思う」

「も、もう十分伝わってます」

「いや、それでも言わせてもらう――リズ、結婚しよう」

ストレートな言葉に、リズはかぁっと真っ赤になった。

ドキドキしすぎて、周りのはやし立てる口笛すら耳に入って来ない。

その提案をうれしく思っている自分もいる。鈍いリズも、とうとう自分の気持ちに気付いてしまった。

どんどんジェドに惹かれる自分を、もう止められそうにない。

でも、それでいいの？と思ってもしまう。自分は平凡な女の子で、ジェドは獣騎士団の団長で、伯爵で、領主様だ。

そして彼は、世の女の子の誰もが見惚れる美貌と、褒めずにはいられない素晴らしい才能に溢れている男性だった。

「あの、その……団長様は、私のことが好きなんですか？」

「好きだよ。一人の女の子として、俺はリズが好きだ」

迷いもなく素直に答えられて、ますます顔が熱くなる。

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