平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
まるで吹っ切れたみたいにジェドが凛々しく笑った。

「リズは?」

「う。私も……団長様のこと、好きになってしまっています」

こんな素敵な人と一緒にいて、好きにならないはずがなかったのだ。リズはその見た目からではなく、彼の人柄や生き方に惚れてしまったから。

だから、見た目まで憧れになってしまったら、もう、リズはジェド以外の男性なんて考えられないのだ。

ぎゅっと後ろから抱き締められて、リズは慌てた。

「団長様っ。わ、私、早急に動かれると混乱してしまいそうです」

自分を好きになってくれた人に、そして自分が好きな人に抱き締められて心臓が煩い。鼓動まで伝わってしまう距離感にもドキドキした。

ジェドが、耳元でくすりと笑うのが聞こえて赤面する。

「分かってる。いきなり襲ったりしないから」

「お、襲……!?」

「結婚するまでに、ゆっくり進めていくさ。今日までだって、ずっと我慢して待ってきたんだから」

それじゃあ、出会って間もなくには、もう……?

彼から思われていた期間を思ったら、もうリズは耳まで真っ赤になった。トナーたちがにやにやしているのに気付いて、恥ずかしくってたまらなくなる。

「み、みんな知ってたんですか!?」

思わず叫んだら、コーマックが申し訳なさそうに笑う。

「ええ。団長、初めての恋で、挙動不審とかもう色々と露骨でしたから」

「初めて……!」

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