平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
「あっはははは! リズちゃん超真っ赤だ!」

「カルロだって、とっくに気付いて団長の味方してたんだぜ」

いつ? よく分からない。

リズは、抱き締めてくれているたくましい腕にドキドキしっぱなしだった。頭の中も身体の感覚も、全部ジェドでいっぱいだ。

「そ、その、婚約したとしても……恋人からでいいですか? 私、本当にこういうこと全然よく分からなくって」

「うれしいよ」

近くから目を合わせたら、ジェドがにっこりと笑った。

その理想の上司のような素敵な笑顔に、リズはくらくらするのを自覚した。

初めて見たのは、獣騎士たちが慕う素の彼の表情だった。だからこそ、威力が二割増しでくるのだと知った。

思っていた以上に、彼の猫被りもリズ好みだったらしい。

「リズの口から、婚約者と聞けるなんて思ってもいなかった。それからでも、全然いい。本当にうれしい」

「うわっ」

ぎゅぅっと抱き締められて、リズの口から色気のない声が出た。

悠々と眺めていたシモンが、コーマックの前から口笛を吹いてはやし立てる。他の獣騎士たちも「おー」とすっかり傍観者だ。

恥ずかしい。とにかく、もうもう恥ずかしすぎる。

「リズ。帰ったら、すぐ婚約の手続きをしよう」

不意に、ちゅっと顔の横に口付けられた。

「ちょっ、そ、そういうのはいきなりずるいですっ」

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