平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
「仕方ないだろう。うれしいんだから。キスしたいのを我慢しているだけ、有り難く思え」

「キス!?」

経験のない初心なリズは、その単語だけで耳まで真っ赤になった。

みんなが見ている前でそんなことされたら、心臓がもたない。そう思っていると、コツンと頭を合わせられた。

「俺は、お前とずっとキスしたくてたまらなかったんだぞ」

近くから見つめられて心臓が止まりそうになった。

本気なのだと分かった。ジェドの目の奥には、綺麗な青の輝きとは別の熱がある気までしてくる。

少し角度を変えたら、あっさり唇を奪われてしまいそうだ。

そう想像した途端、額がくっ付いている温かさを猛烈に意識した。恥じらいも増して、リズはあたふたした。

「そういうのをストレートに言ってこないでくださいっ」

「リズは鈍いと分かったからな。もう遠慮しないことにした」

ジェドがうれしそうに笑った。あまりにも自然体な笑顔だったので、リズはもう叱れなくなってしまった。

それに、好意を口で伝えられているのを悪くないと思っている自分がいる。

分からないことがあるより、こうして伝え合える関係が、いい。

「キスは……また今度お願いします」

好きな人とすることを考えたら、期待もしてしまって恥じらいつつ答えた。

「ふうん、許可を取ったらしていいのか」

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