平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
ジェドのにやりとした顔に、リズはきゅんっと胸が高鳴った。やっぱりその素の笑い方も、自分はとても気に入っていたらしい。
「きょ、許可というか、心の準備をしたいというか……あっ」
「じゃあ、それでいいよ」
額が離れたかと思ったら、手を添えられて頬に唇を押し付けられた。
あっという間に熱は離れていく。パッと頬を手で押さえたら、ジェドが唇をぺろりとあやしげに舐めた。
「それはそれでそそられる。楽しみに待てそうだ」
リズは、もう恥ずかしくって顔を手で隠した。
目の前にいるこの人は、本当にあの鬼上司の団長様なのだろうか。笑顔だけでなく声も全部甘くって、これから心臓がもつのか心配だ。
「さぁ、獣騎士団に帰ろうか」
くくっと喉の音で笑ったジェドが、満足げに言った。
ジェドとリズを乗せているカルロが、うれしくってたまらない様子で「ふん!」と鼻を鳴らした。
直後、カルロは大きな身体を一気に踊らせると、誇らしげにスピードを上げて飛行する。
先頭を進む彼に、コーマックたちの相棒獣たちも続いた。
飛行する戦闘獣たちの白い身体は、西日にきらきらと映えていた。その隊列は地上からも見えて、まるで素敵な未来を予感させた。
了
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ここまで連載にお付き合いいただき、ありがとうございました!
5月10日(月)発売の書籍版では、
この後の続きが読める、限定書き下ろし番外編を収録しております。
よろしければそちらもぜひ、よろしくお願いいたします^^
「きょ、許可というか、心の準備をしたいというか……あっ」
「じゃあ、それでいいよ」
額が離れたかと思ったら、手を添えられて頬に唇を押し付けられた。
あっという間に熱は離れていく。パッと頬を手で押さえたら、ジェドが唇をぺろりとあやしげに舐めた。
「それはそれでそそられる。楽しみに待てそうだ」
リズは、もう恥ずかしくって顔を手で隠した。
目の前にいるこの人は、本当にあの鬼上司の団長様なのだろうか。笑顔だけでなく声も全部甘くって、これから心臓がもつのか心配だ。
「さぁ、獣騎士団に帰ろうか」
くくっと喉の音で笑ったジェドが、満足げに言った。
ジェドとリズを乗せているカルロが、うれしくってたまらない様子で「ふん!」と鼻を鳴らした。
直後、カルロは大きな身体を一気に踊らせると、誇らしげにスピードを上げて飛行する。
先頭を進む彼に、コーマックたちの相棒獣たちも続いた。
飛行する戦闘獣たちの白い身体は、西日にきらきらと映えていた。その隊列は地上からも見えて、まるで素敵な未来を予感させた。
了
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