平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
「リズさん、僕の台詞、もふもふしてあまり聞いていませんでしたね……」

「まぁ、いいんじゃないか?」

ジェドが、口元にちらりと笑みを浮かべた。

鼻を慣らしもしなかった。身を寄せるカルロの長くて優雅な尻尾が、応えるようにリズとジェドを包み込む。

「なるほど。こうすれば、隣、みたいなものだな」

くくっとジェドが笑いをこぼした。肩を支えられているリズは、あますところなく温かくなって少し恥ずかしくなる。

昨夜、眠りに付いた際の寂しさなんて完全に忘れていた。

「団長様、あの、そろそろ離してください」

「カルロが押し付けてくるんだ。俺が離したら、リズは倒れてしまうぞ」

「そんなことは……ないような、あるような……」

それでもリズは、カルロを愛情深く撫で続けている。

後ろから見ると、相棒獣が認めた獣騎士とその伴侶だ。コーマックは、自分の相棒獣とちらりと目を合わせて小さく笑った。

獣道は蛇行を繰り返しながら、細く長く続いていた。

やがて少しだけ風景が変わるものの、荒らされたような形跡はない。

「このあたりには、来ていないんですかね?」

リズは、大きな獣の痕跡がないのを見て言った。満足したカルロが、ぱたぱたと少し先まで行った彼女に付いていく。

ふむ、とジェドが思案気に顎に手をやった。

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