平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
きっと大丈夫。なんだってできる気までしてくる。これまでずっと、平凡だとか不運だとか、そんな自信のなかった自分だとは思えないほど、彼の存在がリズを勇気付けてくれていた。
それは、他の誰にも感じないことだった。
分館で応援し続けてくれている先輩たちや元上司。優しくて頼れるコーマックや他の獣騎士でも違うのだ。
ジェドだけが、弱気なリズを特別に前へと進ませてくれる。
「建物が見えてきましたね。結構立派ですね」
そんなコーマックの感想の声が聞こえて目を上げた。
気付けば、人混みが少し落ち着いたところまで出ていた。もう手を引く必要性も感じなくなる場所だけど、でも……。
リズは、その手を離して欲しくなく感じた。
握ってくれている手の温かさが、どうしてか離れ難くなる。初めての見知らぬ町なのに不安も感じていない。
――ずっと、こうしていられたらいいのにな。なんて。
思わず、手をきゅっと握り返してしまった。気付いたジェドが足を止め、建物の向こうに見える役所の屋根からリズへと目を移す。
「どうした?」
「なっ、なんでもないんです!」
咄嗟に慌てて否定した。けれど、手を離して欲しくなくて握り返してしまったのは、バレバレだったみたいだ。
二人の視線がそこに向いて、隠し通せていないのを自覚して顔が熱くなる。
それは、他の誰にも感じないことだった。
分館で応援し続けてくれている先輩たちや元上司。優しくて頼れるコーマックや他の獣騎士でも違うのだ。
ジェドだけが、弱気なリズを特別に前へと進ませてくれる。
「建物が見えてきましたね。結構立派ですね」
そんなコーマックの感想の声が聞こえて目を上げた。
気付けば、人混みが少し落ち着いたところまで出ていた。もう手を引く必要性も感じなくなる場所だけど、でも……。
リズは、その手を離して欲しくなく感じた。
握ってくれている手の温かさが、どうしてか離れ難くなる。初めての見知らぬ町なのに不安も感じていない。
――ずっと、こうしていられたらいいのにな。なんて。
思わず、手をきゅっと握り返してしまった。気付いたジェドが足を止め、建物の向こうに見える役所の屋根からリズへと目を移す。
「どうした?」
「なっ、なんでもないんです!」
咄嗟に慌てて否定した。けれど、手を離して欲しくなくて握り返してしまったのは、バレバレだったみたいだ。
二人の視線がそこに向いて、隠し通せていないのを自覚して顔が熱くなる。