幽霊屋敷に挑む魔女
ヒラヒラと、無数の蝶々が私の目の前に飛んでいる。
でも、その蝶々は私以外には見えない。
『桜ちゃん、なんでそんな嘘つくの?』
『変なやつ。蝶々なんて1匹もいないじゃん』
嘘なんてついてないよ!本当にいるよ!
ピンク色に青色、黄色に緑の蝶々が!
だけど誰も私の言葉を信じてくれなくて、嘘吐きよばりの毎日だった。だから、私は本当は見えてるけど見えないふりをしてやり過ごす事にした。
すると、この蝶々のある法則に気付いた。
元気な子や、嬉しい事があった子の周りには黄色の蝶が飛ぶ。
そして、恋をしている子にはピンク色の蝶。
優しくて、悩んでいる子がいたら側に寄り添ってくれる子には緑いろの蝶。
寂しい、悲しい、泣いている子には青。
嘘や何か企んでいる子には紫。
そして、本当に危ない事を考えている人には赤い蝶。赤い蝶だけは滅多に現れなかった。
そんな、蝶によって色分けされた人々を眺める日々が続く中、不意に赤い蝶が彩とりどりの蝶達の羽を傷つけ地に落とし始めた。
その頃、私は小学生で初めて恋をした。すると、パッと何もない空間からピンク色の蝶が頭の上でパタパタと飛び出した。恋をしている時は幸せで、クラスメイトが私の事を嘘吐きや、変なやつって言わなくなったら彼に告白しようと思っていたが、真っ赤な蝶を携えた男が学校に不審者としてやってきた。
男は刃物を持っていて、私達を守ろうとしてくれる先生を次々に斬りつけていく。
そして、守りを失った私達にも刃物を振り下ろし……
『いや!』
真夜中、私は小学時代に巻き込まれた傷害事件の夢を見て、布団を蹴飛ばして目を覚ました。まだ肌寒い夜なのに、全身汗びっしょりになってしまい気持ち悪い。私は机の上に置いてあるペットボトルの水を一気に飲み干し
パジャマを脱いで汗を拭いて、代わりのTシャツに着替えた。それでも、スッキリするわけはなく窓を開けた。冷んやりした夜風が気持ち良い。
久しぶりに見た、昔の出来事。
あれは私が、他の人とは見えない物が見える特異体質だと気づいた時に起きた。
血塗れの先生たちと、犯人が持っていた刃物からポタポタと落ちる血の滴。
それから先は思い出していけない。思い出したくもないのに、当時の事件が鮮明に頭に浮かんでくる。
犯人は先生たちを刃物で斬りつけて、私達の教室に立て篭もる形で入ってきた。
人質になった私達。恐怖のあまり女子生徒だけではなく男子まで泣いた。犯人はその泣き声に笑みを浮かべながら、怯える私達を見て楽しむように刃物を振り回した。そんな中、彼が、私の初恋の相手がサッカーボールを犯人の顔に目掛けて蹴った。ボールは見事に犯人の横顔にヒットし、突然の衝撃に犯人は刃物を手放し床に倒れた。
『みんな、今のうちだ!』
彼の掛け声に、私達は一斉に教室から出て行こうとしたが、たかが小学生が蹴ったサッカーボールの威力は猫だましには使えても、相手を気絶させられるわけではない。
犯人はサッと立ち上がり、サッカーボールを蹴った彼を斬りつけた…
でも、その蝶々は私以外には見えない。
『桜ちゃん、なんでそんな嘘つくの?』
『変なやつ。蝶々なんて1匹もいないじゃん』
嘘なんてついてないよ!本当にいるよ!
ピンク色に青色、黄色に緑の蝶々が!
だけど誰も私の言葉を信じてくれなくて、嘘吐きよばりの毎日だった。だから、私は本当は見えてるけど見えないふりをしてやり過ごす事にした。
すると、この蝶々のある法則に気付いた。
元気な子や、嬉しい事があった子の周りには黄色の蝶が飛ぶ。
そして、恋をしている子にはピンク色の蝶。
優しくて、悩んでいる子がいたら側に寄り添ってくれる子には緑いろの蝶。
寂しい、悲しい、泣いている子には青。
嘘や何か企んでいる子には紫。
そして、本当に危ない事を考えている人には赤い蝶。赤い蝶だけは滅多に現れなかった。
そんな、蝶によって色分けされた人々を眺める日々が続く中、不意に赤い蝶が彩とりどりの蝶達の羽を傷つけ地に落とし始めた。
その頃、私は小学生で初めて恋をした。すると、パッと何もない空間からピンク色の蝶が頭の上でパタパタと飛び出した。恋をしている時は幸せで、クラスメイトが私の事を嘘吐きや、変なやつって言わなくなったら彼に告白しようと思っていたが、真っ赤な蝶を携えた男が学校に不審者としてやってきた。
男は刃物を持っていて、私達を守ろうとしてくれる先生を次々に斬りつけていく。
そして、守りを失った私達にも刃物を振り下ろし……
『いや!』
真夜中、私は小学時代に巻き込まれた傷害事件の夢を見て、布団を蹴飛ばして目を覚ました。まだ肌寒い夜なのに、全身汗びっしょりになってしまい気持ち悪い。私は机の上に置いてあるペットボトルの水を一気に飲み干し
パジャマを脱いで汗を拭いて、代わりのTシャツに着替えた。それでも、スッキリするわけはなく窓を開けた。冷んやりした夜風が気持ち良い。
久しぶりに見た、昔の出来事。
あれは私が、他の人とは見えない物が見える特異体質だと気づいた時に起きた。
血塗れの先生たちと、犯人が持っていた刃物からポタポタと落ちる血の滴。
それから先は思い出していけない。思い出したくもないのに、当時の事件が鮮明に頭に浮かんでくる。
犯人は先生たちを刃物で斬りつけて、私達の教室に立て篭もる形で入ってきた。
人質になった私達。恐怖のあまり女子生徒だけではなく男子まで泣いた。犯人はその泣き声に笑みを浮かべながら、怯える私達を見て楽しむように刃物を振り回した。そんな中、彼が、私の初恋の相手がサッカーボールを犯人の顔に目掛けて蹴った。ボールは見事に犯人の横顔にヒットし、突然の衝撃に犯人は刃物を手放し床に倒れた。
『みんな、今のうちだ!』
彼の掛け声に、私達は一斉に教室から出て行こうとしたが、たかが小学生が蹴ったサッカーボールの威力は猫だましには使えても、相手を気絶させられるわけではない。
犯人はサッと立ち上がり、サッカーボールを蹴った彼を斬りつけた…
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