幽霊屋敷に挑む魔女
『ねぇ、夏美今日ってなんかすごいイベントとかってあったっけ?』
『すごいイベント?うーん、特には。うちらのクラスで松井先生の授業も無いし、って言ういきなりどうしたの?』
夏美が小首を傾げ聞いてくるから、なんだか女子生徒が浮ついている事を話してみたら
『確かにみんな、キャアキャアしてるね。もしかして、密かに出回ってる松井先生のブロマイドの新作発売か!それとも、レアショットが撮れたのか!』
本当に夏美の頭の中には松井先生の事ばかり。それより、密かに出回っているブロマイドってなに?私、そんなの初めて知ったんだけど。でも、ちょっとはその写真に興味が湧いたかも…夏美にその写真の出どころを聞いてみようかな〜
『新作やレアショットならモタモタしてられない!千秋!ねぇ、千秋!』
夏美は大声で別のクラスメイトを呼んだ。
『ん、夏美じゃん。朝からなに?』
千秋と呼ばれた生徒は笑いながらクラスメイトと話していたが、夏美の声に、いったい何よ?みたいな感じで応じた。
『松井先生のブロマイド新作かレアショットでたの?いくら?』
校内でしかも生徒同士で売買はだめでしょ、って思ったけどあっさりと出どころはわかった。あとで千秋さんにブロマイドについて詳しく聞いてみよう。
『残念ながら新作もレアショットもまだありません!』
『じゃあ、なんで女子のみんながキャアキャアしてるのよ!』
夏美にとって、女子がキャアキャアするのは松井先生がらみだと関連付けでもあるのかな?
千秋さんは周りをキョロキョロを見渡し、なんだかここだけの話だけど、みたいな態度で私達に近づき
『噂なんだけど、今日転校生が来るんだって』と、目をキラキラしながら言ったが
『なーんだ、たかが転校生か。で、きっとあれでしょ?その転校生が男子でイケメン。だからみんな浮かれてるんでしょ』
夏美はため息をつきながら、なんだそんだけでみんな騒ぐなんてお子ちゃま、だと呟いたが
『バカね。確かに転校生が男子でイケメンって話しは当たっているけど、なんと帰国子女よ!しかもイギリスから!それに、ハーフの生粋の金髪ヘアー!他の男子がよく金髪にしてるけど、彼は生まれながらの金髪よ!
もう、クラスの男子とは断然色気が違うのよ!』
千秋さんは興奮しながらぐいぐいとくる。
『へぇ〜帰国子女のハーフか。もう、みんなその人の顔とか見たの?』
夏美が若干興味なさせうに尋ねる。
『それがさ、みんな彼のこと一目見ようとして職員室に押しかけたんだけど、職員室にはいなかったんだよね〜だから、どのクラスかもわからない』
『なーんだ、みんなまだ見てないの?それでよく帰国子女や生粋の金髪やイギリスハーフやイケメンってわかったもんね〜』
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