光を掴んだその先に。
「じゃあ私はこれでっ」
「あっ、天城!」
振り向かないまま足だけ止める。
この男に振られたのは数日前だった。
人生で初めて告白というものをした私。
しかし結果は「天城のガサツなとこがさ、俺苦手なんだよね」の、一言。
彼は悪気は無かったようなのだが、私には大ダメージだった。
「…いろいろ、ごめんな?」
天馬くん、この際だから言わせてもらうよ?
もういいよね振られてるから。
「…疑問系で言ってんじゃねえぞクソ野郎」
「え…?」
「んーん!なんでもないっ!いーの気にしないで!」
危ない危ない…。
内なる私が表面に出てしまうところだった。
ごめんな?ってなに。
なにその憐れんだ顔。
今なら言えるけど、ふつう失恋したら傷付くはずだよね?
けど私、腹立ってる気持ちのほうが大きいよ?
「好きじゃなかったーーー!!!」
山なんか見えない町、こうして山びこのように叫んでも反響した音は「うるさーい!!」という反論だった。
「私の初めての告白返せーーー!!」