光を掴んだその先に。




道は塞がれた。

もう少しでひまわり園へと続く曲がり角が見えてくる、そんな場所で。


柄の悪い数人は明らかに天鬼組ってわけでもなく、見たことのない男たちだった。



「だれだお前ら」


「ちょーっと頼まれごとでさぁ…お前らを連れてこいって」


「───絃っ…!!」



「え、」と返事をするよりも先に、私に近づいた1人の男はみぞおちに拳を入れた。



「───…、」



常に命を狙われてることを忘れてた。

あの場所で、みんなが傍にいて、那岐がいつも隣にいてくれたから。


平和ボケってやつだ……。



「…な……ぎ…、」



なぎ、なぎ。

───那岐。


呼びたいのに、だんだん声が出なくなっていく。

意識が朦朧とする中で抱えられて、近くに停めてあったバンへ連れられて。


そこには同じように眠る佳祐も居た。




────………




『なぎっ、いともたべるっ』


『こら。あげるから待ってってば』


『はやくっ!なぎ、はやくっ』


『ほら、あーんして』



カップアイスを持っている少年。

私はずっとキラキラ瞳を輝かせながら、それが差し出されるのを待っていて。


それは、バニラアイス。


私が大好きなもの。
大好きな人との2人だけの時間。


そんな昔の記憶を、またひとつ思い出した───…。








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