光を掴んだその先に。
そうなのだ。
本当に最近なのだ。
こうして那岐の匂いを嗅いだり、話したり顔を合わせたり。
それだけで胸がドキドキして嬉しいのに、苦しくなって。
けれどそれは嫌な苦しさじゃなくて、なんというか心地よさもあって。
「あのワンピース、…俺の前だけでなら着ていい」
また、だ。
こういうところにドキッと胸が高鳴る。
きっとこれは不意うちってヤツ。
「恋じゃんそれ」
「えっ」
「逆にびっくりなんだけど。ふつう気づくでしょ。えー、そういう鈍感のふり女だいきらーい」
「誰が鈍感のふり女だ…!」
てか鈍感のふり女って何なの…!
そしてどうして私はこんなことをこの男に相談しているのかも分からないけど…。
でもここで那岐以外に歳が近い人だし、陽太は那岐と1歳しか変わらないし…。
「………え、………恋……?」
「うわ、まじ?普通に考えて分からない?」
「…わからないから聞いた」
いやそんなドン引き~みたいな顔しなくてもいいじゃん…。
もちろん誰の話だとは伏せてあるけど、そいつは「恋」だと言う。
え……これは…恋なの…?
私、那岐のこと好きなの……?
だっていつかに告白した天馬くんとは全然ちがう。
なんていうか気持ちの重みっていうか、ぜんぶが。
「てかさ、そういうのって雅美さんに聞いたほうがいちばん早くない?」
「…あ、確かに」
「あの人って百戦錬磨って感じするしねぇ。いいよね、俺巨乳好きだから狙っちゃおっかなー」