光を掴んだその先に。
「おじいちゃんっ」
「おぉ絃か…、おまえ学校はどうしたんじゃ」
「サボった!」
なーんて嘘。
本当は期末テスト期間だから、ちょっとだけ帰りがいつもより早いだけ。
那岐に頼んで病院に連れてきてもらった私。
「きゃぁっ!!もう天鬼さんっ!いい加減怒りますよ…!」
「老人の密かな楽しみくらい許してくれんか」
「だとしてもセクハラは正当化されませんっ!!」
…やっぱり相変わらずだ。
点滴を取り替えてくれる看護婦さんの腰回りやお尻をサワサワと。
よく飽きないなぁ、この人も。
それにぜんぜん懲りない性分がすごい。
「絃織もよう来てくれたな」
「俺も心配でしたから」
「剣から聞いたぞ、縁談とか何とか」
沈黙。
しーんと静まり返っては、ナースさんのコツンコツンと響く足音が遠退いていった。
「ぎゃっ…!」
「相変わらずお前は色気も何もないのぅ。雅美を見習わんか」
おじいちゃんが私のお尻を触ってきたことで、沈黙は破られた。
それに縁談の話題も雅美さんの名前も、私の中ではちょっとだけタブーなのに…。
こっんのエロジジイ……。
「もうっ!じいちゃん本当にそんなのばっかしてるからバチが当たっちゃったんだよっ」
「ふぉっふぉっふぉっ、…そうかもしれんな」