光を掴んだその先に。
でも5日間くらい連続で空けるなんて珍しかったから、さすがに気になる。
それに報告も無しだったから俊吾なんかは「どこに行きやがった天道!」って、ずっと怒ってた。
おじいちゃんの葬儀にはギリギリ間に合ったみたいだけど…。
そしてようやく色んなことに一段落した今日。
「…俺ねぇ、実は施設育ちなんだよね」
プライベートはあると言った男が、いちばんにプライベートな話をしてきた。
思わずパワーストーンを持った手が止まる。
その言葉は懐かしいようで近くにあって、今は懐かしいものだった。
「あれ?引いちゃった?可哀想だとか思った?」
「思わないよっ!!」
想像してたよりも大きな声が出た。
だから陽太だって微かに目を見開いてるんだ、きっと。
でも、思わない。
そんなこと思わない。
だって私だって同じだったから。
「5歳のときから施設に入って、脱け殻のように生きてた」
「脱け殻…?」
「そ。もうね、…みんな怖がるんだよ俺のこと」
「…陽太の、両親は…」
「殺された」
どうして私の周りは似たような境遇が集まるんだろう。
どうして世の中は2つに分かれてしまうんだろう。
親に恵まれる子と、恵まれない子。
「なーんて顔してんのさ。…同情するなら金をくれってね」
そして私は、その恵まれない子と思っていた中で誰よりも恵まれている子だった。