光を掴んだその先に。
自惚れとか、勘違いとか。
そんな易しい言葉で表せられてしまったなら、どんなに楽だっただろう。
その絃は───…切れない。
どうしたって切ることができない。
『絃。お前だけは俺が絶対に守るよ』
その言葉がこんなにも苦しい。
私だけに優しくしてくれたのも、あんなにも守ってくれたのも、いつも傍にいてくれたのも。
それはわたしたちが、きょうだいだから。
そして血の繋がらない妹に縛られ続けているんだ、あの人は。
今でもずっと縛られてる。
「絃ちゃん、もう今日は戻ろう?お祭りも来年にお預けでさ」
「…どうしよう、」
「え…?」
どうしよう、どうしよう。
どうしたらいいの、竜王は倒すものじゃなかった。
倒すとか、そういうのじゃない。
次元が違いすぎるのだ。
「どうしよう…っ、…どうしよう、」
好きになってしまった。
そんなふうに見られてるとは知らなかった。
あんなの、うぬぼれる。
誰だってうぬぼれるよ。
「いたい……」
「え?痛い?どこが痛いの?」
名前を付けてくれたのもおかしいと思った。
本当は、おかしいって、いつも思ってた。
なんだ、辻褄が合うことばかりじゃん…。
「いたい…っ、いたい…」