光を掴んだその先に。
episode.1
白馬の王子様…?
白馬に乗った王子様、どうか私の前にお停まりください。
あなた様が来ると分かっていたから、私は朝からこんなにめかし込んでしまったの。
こんなドレス着たことないし、こんなに高いヒールだって。
『すまないね。僕は君のようなガサツな女の子、あまり好きじゃないんだ』
そのまま白馬の王子様はパカラパカラと目の前を通りすぎる。
えっ!?ちょっと待って!!!
あんたまでそんなこと言ってくるの!?
どいつもこいつもガサツガサツって、私だって好きでこんな性格じゃないっての!!
それに見方によっては男勝りで勇敢で頼もしいでしょーがっ!!
『おーきーてーー!』
『いーとーお姉ちゃーん!!』
あぁもう!今はそれどころじゃないのに!
王子様が行ってしまう。
私はずっとずっとこうして待ってたというのに。
『ねぇもう少しで8時になっちゃうよ?』
だから待ってってば!!
………ん?
はちじ?
…はち…じ…??
8時………?