10憶で始まった結婚は○○だった
「ウィーヌ婦人。ご冗談は、その辺りでおやめ下さい」
「いいえ。冗談ではございません。本当です」
「申し訳ございません。王室の結婚は血筋が一番問題です。私は、それほどバカではございませんので。ファリサの事は、ちゃんと調べております」
「そ、そうでございますか。では、私が母親である事はお分かりなのですね? 」
「いいえ、貴女はファリサの母親ではありません。それは明白です」
「何を根拠にそのような事を仰られるのですか? 国王様」
「この子は、私の娘です」
「はぁ、それは確かに皇子様と結婚されたのであれば。義理の娘には、変わりありませんが」
「そうではありません。私が言っているのは、ファリサが正真正銘の私の娘だと言っているのです」
はぁ? なにを言っているの?
驚いてウィーヌはポカンとなってしまった。
「ウィーヌ婦人。貴女の事は、25年前に城への出入りを禁じております。それは今でも続いている事です」
「ですが、私はファリサの母親ですので」
「それは違うと、先ほどから申し上げておりますよね? 」
「ですが…」
「どうかお引き取り下さい。そして今後一切、ファリサには近づかないで下さい」
どうゆうこと?
ウィーヌは返す言葉が見つからなくなり黙ってしまった。
「全てぺリシアさんから、お聞きしております。全てを承知の上で、私はティケルとファリサの結婚を認めております。貴女が何を言おうとも、全ての真実は判っております。このままお引き取りして頂ければ、真実は公開致しませんので。どうかご理解下さい」
まるで苦虫でも噛んだように、悔しそうな表情を浮かべたウィーヌは、そのまま黙って帰って行った。
ホッとしたファリサは倒れそうになった。
そんなファリサをサーチェラスはそっと抱きとめた。
「大丈夫ですか? 」
声をかけられると、ファリサは小さく頷いた。
だが微かにまだ震えているのをサーチェラスは感じ取っていた。
「何も心配しないで下さい。貴女の事は、全力でお護りしますから」
ファリサは黙って何も答えなかった。
結構ですと突っぱねたいのに、何故かそれが出来ない自分がいる。
どうしてだろう…
この人はお母さんを殺した人なのに…。
そう思う中、どこかサーチェラスに懐かしさを感じる気持ちがあるファリサだった。
「…国王様と仲良くする気はないと…言ったじゃないですか…」
ちょっと震える声でファリサが言った。
「構いませんよ。貴女のお気持ちがそうでも。私は、貴女と仲良くしてゆく事を望んでいます。その気持ちを信じてゆく事にしたのです」
なにそれ…
なんだか勝手に聞こえるけど…嫌じゃない…。
複雑そうな顔をしているファリサ…。
「ティケル。ファリサさんをお部屋に連れて行ってあげて下さい。ちょっと驚いているようですから、ゆっくり休ませてあげて下さいね」
「はい、分かりました」
傍に来たティケルは、そっとファリサの手を取った。
「大丈夫か? 歩けるか? 」
「はい…大丈夫だと思われ…。ゆっくり歩けば、大丈夫なわけで…」
「そっか。じゃあ、ゆっくり行こう」
そっとファリサの腰に手を添えて支えながら歩き出したティンケル。
2人の歩いてゆく姿を見ているサーチェラスは、とても嬉しそうな顔をしている。
「ゆっくりで構いません…。貴女が心を開いてくれるまで、待ちます。…愛するミネルが産んでくれた宝物ですからね」
フッと一息ついたサーチェラス。
「いいえ。冗談ではございません。本当です」
「申し訳ございません。王室の結婚は血筋が一番問題です。私は、それほどバカではございませんので。ファリサの事は、ちゃんと調べております」
「そ、そうでございますか。では、私が母親である事はお分かりなのですね? 」
「いいえ、貴女はファリサの母親ではありません。それは明白です」
「何を根拠にそのような事を仰られるのですか? 国王様」
「この子は、私の娘です」
「はぁ、それは確かに皇子様と結婚されたのであれば。義理の娘には、変わりありませんが」
「そうではありません。私が言っているのは、ファリサが正真正銘の私の娘だと言っているのです」
はぁ? なにを言っているの?
驚いてウィーヌはポカンとなってしまった。
「ウィーヌ婦人。貴女の事は、25年前に城への出入りを禁じております。それは今でも続いている事です」
「ですが、私はファリサの母親ですので」
「それは違うと、先ほどから申し上げておりますよね? 」
「ですが…」
「どうかお引き取り下さい。そして今後一切、ファリサには近づかないで下さい」
どうゆうこと?
ウィーヌは返す言葉が見つからなくなり黙ってしまった。
「全てぺリシアさんから、お聞きしております。全てを承知の上で、私はティケルとファリサの結婚を認めております。貴女が何を言おうとも、全ての真実は判っております。このままお引き取りして頂ければ、真実は公開致しませんので。どうかご理解下さい」
まるで苦虫でも噛んだように、悔しそうな表情を浮かべたウィーヌは、そのまま黙って帰って行った。
ホッとしたファリサは倒れそうになった。
そんなファリサをサーチェラスはそっと抱きとめた。
「大丈夫ですか? 」
声をかけられると、ファリサは小さく頷いた。
だが微かにまだ震えているのをサーチェラスは感じ取っていた。
「何も心配しないで下さい。貴女の事は、全力でお護りしますから」
ファリサは黙って何も答えなかった。
結構ですと突っぱねたいのに、何故かそれが出来ない自分がいる。
どうしてだろう…
この人はお母さんを殺した人なのに…。
そう思う中、どこかサーチェラスに懐かしさを感じる気持ちがあるファリサだった。
「…国王様と仲良くする気はないと…言ったじゃないですか…」
ちょっと震える声でファリサが言った。
「構いませんよ。貴女のお気持ちがそうでも。私は、貴女と仲良くしてゆく事を望んでいます。その気持ちを信じてゆく事にしたのです」
なにそれ…
なんだか勝手に聞こえるけど…嫌じゃない…。
複雑そうな顔をしているファリサ…。
「ティケル。ファリサさんをお部屋に連れて行ってあげて下さい。ちょっと驚いているようですから、ゆっくり休ませてあげて下さいね」
「はい、分かりました」
傍に来たティケルは、そっとファリサの手を取った。
「大丈夫か? 歩けるか? 」
「はい…大丈夫だと思われ…。ゆっくり歩けば、大丈夫なわけで…」
「そっか。じゃあ、ゆっくり行こう」
そっとファリサの腰に手を添えて支えながら歩き出したティンケル。
2人の歩いてゆく姿を見ているサーチェラスは、とても嬉しそうな顔をしている。
「ゆっくりで構いません…。貴女が心を開いてくれるまで、待ちます。…愛するミネルが産んでくれた宝物ですからね」
フッと一息ついたサーチェラス。