10憶で始まった結婚は○○だった
俺が護るから
 そっとベッドにファリサを寝かせると、そのまま隣に添い寝したティンケル。

 ファリサはムッとして横を向いてしまった。

「なぁ。もしかして怒っているのか? 」
「別に怒る理由は無いと思われ」

「え? 怒っているだろう? ずっとほっといたんだから」
「いえ、お気になさらず。お忙しいのは、承知しておりますので」

 シレっと答えるファリサの背中をティンケルはじっと見つめた。


「あのさ。…俺、もっとお前に近づきたいんだ」
「…そうですか…」

「だからさぁ…」


 スーッと手を伸ばして、ギュッと後ろから抱き着いてきたティンケル。

 突然抱きつかれて、驚いたファリサはビクッと肩を竦めた。


「…ねぇ…。俺と、ちゃんと繋がってほしいんだ」

 繋がってほしいと言われ、ファリサはドキッと鼓動が高鳴った。

「気持ちは何度でも言える。でもきっと、繋がらないと伝わらないと思う。…ずっと、忘れられないから…。結婚式で、お前にキスした時。すげぇ嬉しかった。体中に喜びを感じたんだ。だから…」

 
 スーッとティケルの手が、パジャマの隙間からファリサの胸に忍び込んできた。

 嫌! 
 と思ったファリサだが、ティンケルの手のぬくもりが心地よくて動けなくなってしまった。


「ちゃんと繋がってほしい。…お前の全てを愛したいんだ…」

 なに言っているの。
 10憶で買っただけでしょう?

 ファリサがそう思っていると、ギュッと強く抱きしめてきたティンケル。

「ファリサ…愛しているよ…」

 愛している。
 そう耳元で囁かれると、とても心地よくてキュッと肩をすくめていたファリサの力も少しだけ緩んだ。


 忍び込んでいたティケルに手がギュッとファリサの胸を掴んできた。

 ドキドキと鼓動が高鳴って言葉が出ないファリサは、黙って何も言わなかった。


 首筋にスーッとティンケルの唇が這って来る…。
 柔らかく優しい唇を感じるとまたファリサの体の力抜けた…。


 スッと引き寄せられると、そのままパジャマのボタンを外されてしまったファリサ。

 パジャマの下は下着だけで、ファリサの綺麗な体が露に見える。
 下着越しに見える胸の谷間は、マシュマロのように柔らかくボリュームがある。

 可愛いピンク系の下着を身に着けているファリサはとても可愛く、ティンケルは見惚れてしまった。

 見つめられ、恥ずかしくて顔を背けたファリサ。

 
「ファリサ。とっても綺麗だよ、もっと見せてくれるか? 」

 綺麗? こんな自分の事を綺麗だなんて…。
 嬉しいけど…傷だらけの体…見られるのは嫌だなぁ…。

 そう思ったファリサはちょっとだけ口元を引き締めた。


「ファリサ、安心していいよ。綺麗になっているから」

 なに言っているの?
 そう思って恐る恐るファリサは目を開けて、自分の体を見てみた。


 すると。
 肩にあったキリ傷はすっかり治って、あちこちにあった痣も打ち身も綺麗に治っていた。




 どうゆう事?
 治っているの?

 驚いているファリサの唇に、ティンケルがそっとキスをした。
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