10憶で始まった結婚は○○だった
マスクにしたの跡
その後。
ファリサはまだ眠ったままだったが、深夜帯は完全看護で病院側が診ていると言われてサーチェラスはお白へと戻って行った。
時刻は23時を回り消灯時間が経過して、入院患者はぐっすりと眠っている。
ファリサもぐっすりと眠ったまま。
王室専用の特別室は監視カメラがついていて、しっかり警備がされている。
室内は真っ暗にはされず、小さな電球がついている。
心地よいファリサの寝息が聞こえている。
そんな中。
そっと病室のドアが開かれた。
静かに入って来たにのはセレンヌ。
診察を終えて白衣を着たまま入ってきたセレンヌは、ファリサの傍に歩み寄った。
「ファリサ…」
痛々しいファリサを見ると、セレンヌの目が潤んできた…。
「ごめんねファリサ。…私のせいで、辛い思いをさせているのでしょう? …貴女の幸せを祈っているのに…」
ファリサの手をギュッと握りしめたセレンヌ。
「今夜はずっと一緒にいるから、安心して」
ベッドの傍に椅子を持って来て座ったセレンヌは、眠っているファリサを見つめてそっと微笑んだ。
「…寝顔は…あの人のそっくりね。…あの人の寝顔を見るの、とっても好きだったなぁ…」
遠い昔を思い出しながら、セレンヌはファリサの寝顔を見つめていた。
深夜の丑三つ時。
セレンヌはファリサの手を握ったまま、いつの間にか眠ってしまった。
椅子に座ったまま眠っているセレンヌ。
眠っている顔は目元がファリサと似ている。
コツン…コツン…。
静かな足音が近づいてきて、病室のドアがそっと開いた。
入ってきたのは…
サーチェラスだった。
夜更けだと言うのに、きちんとスーツ姿で現れたサーチェラス。
ファリサの手を握って椅子に座って眠っているセレンヌに、ゆっくりと歩み寄って行った。
ぐっすり眠っているセレンヌは、サーチェラスの気配に気づかないまま眠っている。
ファリサも安心したように眠っている。
そんな2人を見ると、サーチェラスは嬉しそうに微笑んだ。
じっとセレンヌを見つめたサーチェラスは、そっと起こさないようにセレンヌのマスクに手をかけた。
ゆっくりとセレンヌのマスクを外したサーチェラスは、マスクの下の素顔を見て息を呑んだ。
セレンヌのマスクの下は、古くなった火傷の傷跡があった。
左側の口元から顎にかけてただれたような火傷の跡があり、右側の頬にはちょっと酷いやけどの跡が残っている。
そのやけどの跡を見たサーチェラスは、ズキンと胸に大きな痛みを感じた。
「…そうだったのか…。この傷を見せたくなくて…戻ってこなかったのか…」
涙ぐんだ目でセレンヌを見つめているサーチェラス。
そのままそっと、マスクを元に戻したサーチェラスは、今度はセレンヌの右目に触れた。
右目に触れると同じ痛みを感じ、この下にも火傷の跡があるのだと感じた。
「…あの火事の中…よく生き残ってくれましたね。…」
スッとサーチェラスの頬に涙が伝った… …。
「私が愛しているのは…貴女の魂です…。火傷の跡など、全く関係ない…」
想いが込みあがってきて、サーチェラスは何も言えなくなった。
そっとセレンヌから離れたサーチェラスは、ソファーの上にある毛布を持って来てセレンヌにかけてあげた。
「もう少し待っていて下さい。…貴女に、こんなに酷い事をした方をちゃんと処罰しますから…」
そう言って、サーチェラスはセレンヌの額に軽くキスをした。
「…ファリサを産んでくれて有難う…」
それだけ言うと、サーチェラスは病室から出て行った。
静かにドアが閉まると。
ゆっくりとファリサが目を開けた。
傍にいるセレンヌを見たファリサ…。
「お母さん…。お母さんの事、殺そうとしたのは…国王様じゃないんだね? …私…とんでもない誤解をしていたの? 」
不安そうな目をしてファリサはセレンヌに問いかけた。
眠っているセレンヌは何も答えない。
だが、毛布を掛けてもらったセレンヌは穏やかな表情で眠っている。
そんなセレンヌを見ていると、ファリサは胸が痛くなった。
天井を見てそっと目を閉じたファリサ。
「…ごめんなさい…」
小さく謝ったファリサは、再び眠りについた。
ファリサはまだ眠ったままだったが、深夜帯は完全看護で病院側が診ていると言われてサーチェラスはお白へと戻って行った。
時刻は23時を回り消灯時間が経過して、入院患者はぐっすりと眠っている。
ファリサもぐっすりと眠ったまま。
王室専用の特別室は監視カメラがついていて、しっかり警備がされている。
室内は真っ暗にはされず、小さな電球がついている。
心地よいファリサの寝息が聞こえている。
そんな中。
そっと病室のドアが開かれた。
静かに入って来たにのはセレンヌ。
診察を終えて白衣を着たまま入ってきたセレンヌは、ファリサの傍に歩み寄った。
「ファリサ…」
痛々しいファリサを見ると、セレンヌの目が潤んできた…。
「ごめんねファリサ。…私のせいで、辛い思いをさせているのでしょう? …貴女の幸せを祈っているのに…」
ファリサの手をギュッと握りしめたセレンヌ。
「今夜はずっと一緒にいるから、安心して」
ベッドの傍に椅子を持って来て座ったセレンヌは、眠っているファリサを見つめてそっと微笑んだ。
「…寝顔は…あの人のそっくりね。…あの人の寝顔を見るの、とっても好きだったなぁ…」
遠い昔を思い出しながら、セレンヌはファリサの寝顔を見つめていた。
深夜の丑三つ時。
セレンヌはファリサの手を握ったまま、いつの間にか眠ってしまった。
椅子に座ったまま眠っているセレンヌ。
眠っている顔は目元がファリサと似ている。
コツン…コツン…。
静かな足音が近づいてきて、病室のドアがそっと開いた。
入ってきたのは…
サーチェラスだった。
夜更けだと言うのに、きちんとスーツ姿で現れたサーチェラス。
ファリサの手を握って椅子に座って眠っているセレンヌに、ゆっくりと歩み寄って行った。
ぐっすり眠っているセレンヌは、サーチェラスの気配に気づかないまま眠っている。
ファリサも安心したように眠っている。
そんな2人を見ると、サーチェラスは嬉しそうに微笑んだ。
じっとセレンヌを見つめたサーチェラスは、そっと起こさないようにセレンヌのマスクに手をかけた。
ゆっくりとセレンヌのマスクを外したサーチェラスは、マスクの下の素顔を見て息を呑んだ。
セレンヌのマスクの下は、古くなった火傷の傷跡があった。
左側の口元から顎にかけてただれたような火傷の跡があり、右側の頬にはちょっと酷いやけどの跡が残っている。
そのやけどの跡を見たサーチェラスは、ズキンと胸に大きな痛みを感じた。
「…そうだったのか…。この傷を見せたくなくて…戻ってこなかったのか…」
涙ぐんだ目でセレンヌを見つめているサーチェラス。
そのままそっと、マスクを元に戻したサーチェラスは、今度はセレンヌの右目に触れた。
右目に触れると同じ痛みを感じ、この下にも火傷の跡があるのだと感じた。
「…あの火事の中…よく生き残ってくれましたね。…」
スッとサーチェラスの頬に涙が伝った… …。
「私が愛しているのは…貴女の魂です…。火傷の跡など、全く関係ない…」
想いが込みあがってきて、サーチェラスは何も言えなくなった。
そっとセレンヌから離れたサーチェラスは、ソファーの上にある毛布を持って来てセレンヌにかけてあげた。
「もう少し待っていて下さい。…貴女に、こんなに酷い事をした方をちゃんと処罰しますから…」
そう言って、サーチェラスはセレンヌの額に軽くキスをした。
「…ファリサを産んでくれて有難う…」
それだけ言うと、サーチェラスは病室から出て行った。
静かにドアが閉まると。
ゆっくりとファリサが目を開けた。
傍にいるセレンヌを見たファリサ…。
「お母さん…。お母さんの事、殺そうとしたのは…国王様じゃないんだね? …私…とんでもない誤解をしていたの? 」
不安そうな目をしてファリサはセレンヌに問いかけた。
眠っているセレンヌは何も答えない。
だが、毛布を掛けてもらったセレンヌは穏やかな表情で眠っている。
そんなセレンヌを見ていると、ファリサは胸が痛くなった。
天井を見てそっと目を閉じたファリサ。
「…ごめんなさい…」
小さく謝ったファリサは、再び眠りについた。