10憶で始まった結婚は○○だった
その後。
ぺリシアがティンケルへ縁談の話しを送り、すぐに返事が来て結婚が成立したと言われたときはファリサも驚いていた。
どうせ覚えていないから…何も関係も持たないし、私の目的はお母さんから奪った全てのものを奪い返すだけ。
そして…あの人にも、お母さんと同じようになってもらう。
そう決めてファリサはティケルと結婚を決めた。
まさかティケルが覚えていてくれたとは、予想外だった。
それに…。
ファリサは昨夜、深夜にこっそりとサーチェラスが来た時に目が覚めてしまった。
セレンヌに歩み寄ったサーチェラスを、寝たふりをして見ていたファリサ。
サーチェラスの辛く苦しそうな顔、そして優しくセレンヌに毛布を掛けてくれたサーちぇらす。
そんな様子を見たファリサは、何故かサーチェラスがセレンヌを殺そうとしたとは思えなくなった。
全て自分の勘違いだったのだろうか?
そう思うとファリサは、後悔の念に駆られてしまった。
考え事をしていたファリサは、そのまま疲れて眠ってしまった。
心地よく眠っているファリサ。
すると。
スーッと音をたてないように病室のドアが開いた。
黒いつばの広い帽子を被った派手な格好の女性が入って来た。
「やっと見つけたわ、ファリサ」
口元に怪しく笑みを浮かべた女性が少しだけ帽子を上げた。
帽子の下から見えたその顔は、ウィーヌだった。
「今のうちに、連れて行って! 」
ウィーヌが声をかけると2人の白衣を着た男が入ってきた。
男達はそのままファリサに歩み寄り、シーツでファリサをくるんでそのまま連れだした。
「逃がすものですが、せっかく見つけた金づるなのに」
鼻で笑ってウィーヌは去って行った。
男達は病院の裏口に周り、車のトランクにファリサを入れた。
ウィーヌが戻ってきて車に乗り込むと、そのまま走り出した。
裏口は人気が少なく誰もいない。
車が通り過ぎた後、キラッと光る何か落ちていた…。
しばらくして。
病室にファリサの様子を見に来たケインは、ファリサがいなくなっているのをみて真っ青になった。
すぐに防犯カメラを確認したが、カメラの死角を利用して移動している事からハッキリとは確認できず、白衣を着た男が2人がかりでファリサを連れて行く姿がチラッと写っていた。
そしてその後を黒いつばの広い帽子を被った女がついてゆく姿が写っていた。
病室にはキツイ香水の匂いが残っていた。
そしてイヤリングの片方と思われるものが落ちていた。
ダイヤのついた派手なイヤリング。
そのイヤリングにもキツイ香水の匂いがついていた。
ファリサがいなくなったことは、すぐにサーチェラスに報告された。
落ちていたイヤリングを見せられ、サーチェラスはそのイヤリングをこの前城に来た時にウィーヌがつけていたイヤリングと同じである事に気づいた。
香水の匂いもウィーヌがつけている香水と同じ匂いだった。
病院でもどこから抜け出したのか調査していた。
裏口からきらりと光るものが発見され、それが指輪である事が判明した。
指輪はシンプルなリングに高級ダイヤがついているものだった。
車を目撃している看護師もいて、警察の協力を得て捜査が始まった。
ティンケルは今日は遠出していてまだ戻っていない。
サーチェラスはショックで頭を抱えていた。
警備が厳重である王室専用の病室に忍び込み、ファリサをさらってゆくとは…これがウィーヌの仕業だとすれば相当切羽詰まっていると考えられる。
サーチェラスはちょっと頭を冷やすために、王室のお墓にやって来た。
代々眠る王家一族のお墓。
そのお墓の中に、ミネルの名前も刻まれている。
25年前の日付で享年35歳と刻まれている。
お墓に祈りを捧げたサーチェラス。
綺麗な白い十字架に、綺麗な大理石でできた墓石を見つめて、サーチェラスはちょっと涙ぐんでいた。
「お父さん、お母さん。教えて下さい…あの時ウィーヌは、お2人に何を持って来たのですか? 」
十字架に触れて目を閉じたサーチェラス。
ぺリシアがティンケルへ縁談の話しを送り、すぐに返事が来て結婚が成立したと言われたときはファリサも驚いていた。
どうせ覚えていないから…何も関係も持たないし、私の目的はお母さんから奪った全てのものを奪い返すだけ。
そして…あの人にも、お母さんと同じようになってもらう。
そう決めてファリサはティケルと結婚を決めた。
まさかティケルが覚えていてくれたとは、予想外だった。
それに…。
ファリサは昨夜、深夜にこっそりとサーチェラスが来た時に目が覚めてしまった。
セレンヌに歩み寄ったサーチェラスを、寝たふりをして見ていたファリサ。
サーチェラスの辛く苦しそうな顔、そして優しくセレンヌに毛布を掛けてくれたサーちぇらす。
そんな様子を見たファリサは、何故かサーチェラスがセレンヌを殺そうとしたとは思えなくなった。
全て自分の勘違いだったのだろうか?
そう思うとファリサは、後悔の念に駆られてしまった。
考え事をしていたファリサは、そのまま疲れて眠ってしまった。
心地よく眠っているファリサ。
すると。
スーッと音をたてないように病室のドアが開いた。
黒いつばの広い帽子を被った派手な格好の女性が入って来た。
「やっと見つけたわ、ファリサ」
口元に怪しく笑みを浮かべた女性が少しだけ帽子を上げた。
帽子の下から見えたその顔は、ウィーヌだった。
「今のうちに、連れて行って! 」
ウィーヌが声をかけると2人の白衣を着た男が入ってきた。
男達はそのままファリサに歩み寄り、シーツでファリサをくるんでそのまま連れだした。
「逃がすものですが、せっかく見つけた金づるなのに」
鼻で笑ってウィーヌは去って行った。
男達は病院の裏口に周り、車のトランクにファリサを入れた。
ウィーヌが戻ってきて車に乗り込むと、そのまま走り出した。
裏口は人気が少なく誰もいない。
車が通り過ぎた後、キラッと光る何か落ちていた…。
しばらくして。
病室にファリサの様子を見に来たケインは、ファリサがいなくなっているのをみて真っ青になった。
すぐに防犯カメラを確認したが、カメラの死角を利用して移動している事からハッキリとは確認できず、白衣を着た男が2人がかりでファリサを連れて行く姿がチラッと写っていた。
そしてその後を黒いつばの広い帽子を被った女がついてゆく姿が写っていた。
病室にはキツイ香水の匂いが残っていた。
そしてイヤリングの片方と思われるものが落ちていた。
ダイヤのついた派手なイヤリング。
そのイヤリングにもキツイ香水の匂いがついていた。
ファリサがいなくなったことは、すぐにサーチェラスに報告された。
落ちていたイヤリングを見せられ、サーチェラスはそのイヤリングをこの前城に来た時にウィーヌがつけていたイヤリングと同じである事に気づいた。
香水の匂いもウィーヌがつけている香水と同じ匂いだった。
病院でもどこから抜け出したのか調査していた。
裏口からきらりと光るものが発見され、それが指輪である事が判明した。
指輪はシンプルなリングに高級ダイヤがついているものだった。
車を目撃している看護師もいて、警察の協力を得て捜査が始まった。
ティンケルは今日は遠出していてまだ戻っていない。
サーチェラスはショックで頭を抱えていた。
警備が厳重である王室専用の病室に忍び込み、ファリサをさらってゆくとは…これがウィーヌの仕業だとすれば相当切羽詰まっていると考えられる。
サーチェラスはちょっと頭を冷やすために、王室のお墓にやって来た。
代々眠る王家一族のお墓。
そのお墓の中に、ミネルの名前も刻まれている。
25年前の日付で享年35歳と刻まれている。
お墓に祈りを捧げたサーチェラス。
綺麗な白い十字架に、綺麗な大理石でできた墓石を見つめて、サーチェラスはちょっと涙ぐんでいた。
「お父さん、お母さん。教えて下さい…あの時ウィーヌは、お2人に何を持って来たのですか? 」
十字架に触れて目を閉じたサーチェラス。