１０憶で始まった結婚は○○だった

隠れていた理由

　病院に運ばれたミネルは顔に大火傷を負ってしまい、とても見せられるよな姿ではなかった。


　いなくなったミネルを探しているなか、馬小屋は業火で焼き尽くされ唯一ミネルがつけていた髪飾りだけが見つかり焼死したのではないかと報道されていた。

　それを聞いたミネルはケインに

「このまま死んだ事にして下さい」

　と言った。

「こんな顔じゃもう、表に出られません。あの人の隣に、私がいるとあの人まで非難されますから。このまま死んだ事にして下さい。それでいいですから」

　そう言ったミネル。

　ケインは迷いもあったが、ミネルが言うとおりにした。


　落ち着いた数日後に、ウィーヌから届いた手紙を見せられたケイン。
　その手紙を見て、ウィーヌがミネルの命を狙ったと察したケインだった。



　しばらくの間。
　ミネルはショックのあまり何も喋らなくなり、茫然とする日々が続いていた。


　だが数か月後。
　体調が悪くなったミネルは妊娠している事に気づいた。

　もう5ヶ月に入った赤ちゃん。
　気づかなかったものの、このまま産んでもいいのか一瞬迷ったミネルだったが来てくれた命を大切にしたいと言って産む決意をした。


　ケインの協力もあり、ミネルは無事に出産した。
　女の子で名前をファリサとなずけた。


　名前を変えてミネルは医師としてもう一度働きだし、ファリサを育ててゆく事にした。

　決して裕福ではないが、ファリサがいる事が幸せだった。


　ティンケルを庇ってファリサが怪我をして、それがきっかけで貴族であるティンケルと親しくなったミネル（セレンヌ）。


　そんな中。
　ファリサが誘拐された。

　ティンケルの両親が、ウィーヌが連れ去るのを目撃していたがウィーヌは知らず存ぜぬで通していた。

　間もなくしてティケルの家が火災になり、巻き込まれた両親が焼死してティケルは児童施設に送られた。


　ミネル（セレンヌ）は、ファリサがウィーヌに誘拐されているのは確かだと確信していたが証拠が不十分で深く踏み込めなかった。



　そんな時だった。
　ウィーヌが再婚するためにお見合いしたのがぺリシアだった。

　あまり乗り気じゃないぺリシアは、籍は入れないままウィーヌと一緒に暮らしていたが、仕事が忙しく殆ど屋敷にはいない日々だった。

　
　ある日。
　屋敷に戻ったぺリシアがファリサが寒い中、外に放り出されているのを目撃した。

　ファリサを見てすぐにミネルの子供だと分かったぺリシアは、そのままファリサを助け出しウィーヌとは別れてしまった。
　入籍もしていないことから面倒んなことはなかった。