10憶で始まった結婚は○○だった
一通りケインから話を聞いたサーチェラスはとても納得した。
今まで何度もケインには、ミネルが生きているのではないかと話を持ち掛けたが、ケインはきっぱりとミネルは死亡していると断言していた。
しかしどこか辛そうな目をしていたケイン。
納得しないままサーチェラスはミネルを探していたが、手掛かりすら見つからず死亡した事を認めなくてはならないのかと思う日もあったが、どうしてもそれが出来なかった。
納得をしたサーチェラスは、ほっとした表情を浮かべていた。
「先生、有難うございます。これで全て納得が出来ました」
「申し訳ございません。…大切な王妃様を、亡くなった事にしてしまうなんて許されない事をしておりました」
「いいえ。ずっと、ミネルの事を護っていてくれていたのです。感謝しかありません。長い年月、心の葛藤と闘いながらずっと護っていてくれた事を感謝しております」
「そう仰っていただけると、救われます」
やっとケインが少しだけ笑みを浮かべた。
ずっと強張っていた表情も和らぎ、サーチェラスとケインの間のエネルギーも柔らかくなったようだ。
「後は私が直接お話ししますので、先生は何も心配しないで下さいね」
「宜しいのですか? お任せしても」
「ええ、大丈夫ですよ。ミネルとは、ずっと心が繋がっていますから。何お心配しないで下さい」
心が繋がっている…。
なんて余裕のある言葉なのだろう。
25年もの長い月日、ずっと信じて来られたのは心が繋がっていると信じていたからのだろうか?
こんなにも深く人を愛せる人を見たのは、初めてかもしれない。
ケインはそう思った。
それから…数日後経過した。
ファリサは随分と回復して、自分の部屋に戻って過ごせるようになった。
頭の怪我も随分と治るが早く、傷口はそれほど酷くなく3針縫うくらいだったが出血が酷く輸血をしたが。
縫った傷跡は殆ど分からないほどになっていた。
怪我をして数日でここまで回復するとは。
ケインも驚いていた。
歩く事も平気になってきたファリサは、久しぶりに中庭にやって来た。
この前まで咲いていたバラの花が入れ替わり、黄色いバラの花一色になっていた。
一面の黄色いバラを見ると、なんとなくホッとさせられる。
バラの花に見惚れているファリサに、一人の使用人が歩み寄ってきた。
小柄で中年の女性の使用人。
年齢からして60代を超えているように見えるが、優しい表情で朗らかな目をしている。
黒い使用人が着るワンピースが膝下まで長く、エプロンをつけ頭には白い帽子を被っている可愛らしい使用人である。
歩み寄ってきた使用人に気づいたファリサはそっと振り向いた。
ファリサが振り向くと、使用人は深く頭を下げた。
「初めましてファリサ様。私は、使用人頭のキウリと申します」
話す声が若々しくゆっくりとした口調で、とても丁寧なキウリ。
ファリサはそっと頭を下げた。
「ファリサ様。先日は、他の使用人が非常に失礼なことを申しましてファリサ様に不愉快な思いをさせてしまったことを、深くお詫び申し上げます」
そう言いながらキウリは丁寧に頭を下げた。
「いえ…自分は、なんとも思っておりませんので。どうか、お気になさらないで下さい…」
小さめの声でファリサが言った。
キウリはゆっくりと頭を上げ、じっとファリサを見つめた。
今まで何度もケインには、ミネルが生きているのではないかと話を持ち掛けたが、ケインはきっぱりとミネルは死亡していると断言していた。
しかしどこか辛そうな目をしていたケイン。
納得しないままサーチェラスはミネルを探していたが、手掛かりすら見つからず死亡した事を認めなくてはならないのかと思う日もあったが、どうしてもそれが出来なかった。
納得をしたサーチェラスは、ほっとした表情を浮かべていた。
「先生、有難うございます。これで全て納得が出来ました」
「申し訳ございません。…大切な王妃様を、亡くなった事にしてしまうなんて許されない事をしておりました」
「いいえ。ずっと、ミネルの事を護っていてくれていたのです。感謝しかありません。長い年月、心の葛藤と闘いながらずっと護っていてくれた事を感謝しております」
「そう仰っていただけると、救われます」
やっとケインが少しだけ笑みを浮かべた。
ずっと強張っていた表情も和らぎ、サーチェラスとケインの間のエネルギーも柔らかくなったようだ。
「後は私が直接お話ししますので、先生は何も心配しないで下さいね」
「宜しいのですか? お任せしても」
「ええ、大丈夫ですよ。ミネルとは、ずっと心が繋がっていますから。何お心配しないで下さい」
心が繋がっている…。
なんて余裕のある言葉なのだろう。
25年もの長い月日、ずっと信じて来られたのは心が繋がっていると信じていたからのだろうか?
こんなにも深く人を愛せる人を見たのは、初めてかもしれない。
ケインはそう思った。
それから…数日後経過した。
ファリサは随分と回復して、自分の部屋に戻って過ごせるようになった。
頭の怪我も随分と治るが早く、傷口はそれほど酷くなく3針縫うくらいだったが出血が酷く輸血をしたが。
縫った傷跡は殆ど分からないほどになっていた。
怪我をして数日でここまで回復するとは。
ケインも驚いていた。
歩く事も平気になってきたファリサは、久しぶりに中庭にやって来た。
この前まで咲いていたバラの花が入れ替わり、黄色いバラの花一色になっていた。
一面の黄色いバラを見ると、なんとなくホッとさせられる。
バラの花に見惚れているファリサに、一人の使用人が歩み寄ってきた。
小柄で中年の女性の使用人。
年齢からして60代を超えているように見えるが、優しい表情で朗らかな目をしている。
黒い使用人が着るワンピースが膝下まで長く、エプロンをつけ頭には白い帽子を被っている可愛らしい使用人である。
歩み寄ってきた使用人に気づいたファリサはそっと振り向いた。
ファリサが振り向くと、使用人は深く頭を下げた。
「初めましてファリサ様。私は、使用人頭のキウリと申します」
話す声が若々しくゆっくりとした口調で、とても丁寧なキウリ。
ファリサはそっと頭を下げた。
「ファリサ様。先日は、他の使用人が非常に失礼なことを申しましてファリサ様に不愉快な思いをさせてしまったことを、深くお詫び申し上げます」
そう言いながらキウリは丁寧に頭を下げた。
「いえ…自分は、なんとも思っておりませんので。どうか、お気になさらないで下さい…」
小さめの声でファリサが言った。
キウリはゆっくりと頭を上げ、じっとファリサを見つめた。