10憶で始まった結婚は○○だった
25年の長い年月、揺るがない思いでミネルが生きていると信じていたサーチェラス。
遠くにいるようで近くにいたミネルは、セレンヌと名前を変えて国立病院で働いていた。
王室は何かあれば専属医師が駆けつけてきて、めったに病院に来ることはない事から気づかないまま過ぎてきた25年。
ファリサが怪我をした事から、病院に入院する事になり偶然にもセレンヌを見かけたことがきっかけでサーチェラスはミネルが生きていると確信した。
一途な愛が奇跡を起こし、一生消えない酷い火傷の跡も消してしまった。
奇跡としか言えない現象。
これも愛の力のだろう…。
火傷の跡がすっかり消えたセレンヌは、ケインに下へ向かった。
綺麗な顔に戻ったセレンヌを見て、ケインは驚くばかりで言葉にならなかった。
サーチェラスと再会した事を話したセレンヌに、自分お気持ちに正直に生きて行けばいいとケインは言った。
有能な医師を手放すことは非常に心苦しいが、愛する人の下で死汗になってほしいと願った。
セレンヌは改名したわけではなく、戸籍上はミネルのままであるが、死亡した事になっている為それを書き換えなくてはならず少し時間がかかるようだが特別な問題はないようだ。
ぺリシアはファリサにいきさつを連絡して、見事に振られましたと話した。
何となくサーチェラスとセレンヌの再開に、ファリサは今までにない喜びを感じていた。
ずっと隠れるように暮らしていたセレンヌに、幸せになってほしいと望んでいたファリサ。
火傷の跡を消してしまうのは驚いたが、負い目を感じるものが消えてそれで幸せになれるならそれでいいと思った。
ファリサがティンケルと結婚して2ヶ月が過ぎようとしている今日この頃。
ファリサはティンケルに、正直に結婚した本当の理由を話すことにした。
サーチェラスに殺意を抱き、殺そうとした事も、サーチェラスがセレンヌを殺そうとしていたと誤解していた事も。
鞄に隠していた小瓶を見せて正直に話をした。
「へぇー、この中に毒が入っているのか? 」
小瓶を手にティンケルが言った。
「はい。…病院からこっそり、盗んできました」
「ふーん…。やっぱりそうだったんだな」
「え? 」
「安心しろ。この中のものは、そんな物騒な物じゃないから」
なにを言っているの? どうゆうこと?
分からない顔をしているファリサ。
「いや、お前が鞄を絶対に見せないようにしていて。何か隠しているようだったから、こっそり見たことがあるんだ。その時、この小瓶が気になってすり替えておいたんだ。ブッドルに頼んで調べてもらったら、毒性の物だったからそのまま処分してもらった。お前が国王様に仕掛けたときは、またすり替わっていなかったかもしれないが。今はこの中身、ただの甘い砂糖だから」
全部見抜かれていたの?
ホッとしたような、そうでないようなちょっと複雑な気持ちが込みあがってきたファリサ。
「愛している人を、殺人犯になんてしたくないだろう? それに、国王様は勘が鋭い人だから何か入っているとすぐに見抜かれちゃうからさっ。きっと口していない思うぜ」
「はい、そう言っていました」
「じゃあ、もう何も気にすることはない。全部なかった事って事だ」
「それでいいのですか? 」
「いいじゃないか、全てが丸く収まっているんだ。これからを見てゆけば、それでいいじゃないか」
「はい…」
そっとティンケルはファリサ抱きしめた。
「安心しろ、俺が護るから。あの時とは違うから、俺、随分強くなったんだぜ」
そっと、ファリサの左目に触れたティンケル。
「この傷も全部、俺は愛しているから」
愛している…。
そう言われるとファリサの目が潤んできた。
遠くにいるようで近くにいたミネルは、セレンヌと名前を変えて国立病院で働いていた。
王室は何かあれば専属医師が駆けつけてきて、めったに病院に来ることはない事から気づかないまま過ぎてきた25年。
ファリサが怪我をした事から、病院に入院する事になり偶然にもセレンヌを見かけたことがきっかけでサーチェラスはミネルが生きていると確信した。
一途な愛が奇跡を起こし、一生消えない酷い火傷の跡も消してしまった。
奇跡としか言えない現象。
これも愛の力のだろう…。
火傷の跡がすっかり消えたセレンヌは、ケインに下へ向かった。
綺麗な顔に戻ったセレンヌを見て、ケインは驚くばかりで言葉にならなかった。
サーチェラスと再会した事を話したセレンヌに、自分お気持ちに正直に生きて行けばいいとケインは言った。
有能な医師を手放すことは非常に心苦しいが、愛する人の下で死汗になってほしいと願った。
セレンヌは改名したわけではなく、戸籍上はミネルのままであるが、死亡した事になっている為それを書き換えなくてはならず少し時間がかかるようだが特別な問題はないようだ。
ぺリシアはファリサにいきさつを連絡して、見事に振られましたと話した。
何となくサーチェラスとセレンヌの再開に、ファリサは今までにない喜びを感じていた。
ずっと隠れるように暮らしていたセレンヌに、幸せになってほしいと望んでいたファリサ。
火傷の跡を消してしまうのは驚いたが、負い目を感じるものが消えてそれで幸せになれるならそれでいいと思った。
ファリサがティンケルと結婚して2ヶ月が過ぎようとしている今日この頃。
ファリサはティンケルに、正直に結婚した本当の理由を話すことにした。
サーチェラスに殺意を抱き、殺そうとした事も、サーチェラスがセレンヌを殺そうとしていたと誤解していた事も。
鞄に隠していた小瓶を見せて正直に話をした。
「へぇー、この中に毒が入っているのか? 」
小瓶を手にティンケルが言った。
「はい。…病院からこっそり、盗んできました」
「ふーん…。やっぱりそうだったんだな」
「え? 」
「安心しろ。この中のものは、そんな物騒な物じゃないから」
なにを言っているの? どうゆうこと?
分からない顔をしているファリサ。
「いや、お前が鞄を絶対に見せないようにしていて。何か隠しているようだったから、こっそり見たことがあるんだ。その時、この小瓶が気になってすり替えておいたんだ。ブッドルに頼んで調べてもらったら、毒性の物だったからそのまま処分してもらった。お前が国王様に仕掛けたときは、またすり替わっていなかったかもしれないが。今はこの中身、ただの甘い砂糖だから」
全部見抜かれていたの?
ホッとしたような、そうでないようなちょっと複雑な気持ちが込みあがってきたファリサ。
「愛している人を、殺人犯になんてしたくないだろう? それに、国王様は勘が鋭い人だから何か入っているとすぐに見抜かれちゃうからさっ。きっと口していない思うぜ」
「はい、そう言っていました」
「じゃあ、もう何も気にすることはない。全部なかった事って事だ」
「それでいいのですか? 」
「いいじゃないか、全てが丸く収まっているんだ。これからを見てゆけば、それでいいじゃないか」
「はい…」
そっとティンケルはファリサ抱きしめた。
「安心しろ、俺が護るから。あの時とは違うから、俺、随分強くなったんだぜ」
そっと、ファリサの左目に触れたティンケル。
「この傷も全部、俺は愛しているから」
愛している…。
そう言われるとファリサの目が潤んできた。