プロット 幼馴染が宮廷魔術師長になったけれど、私は普通の村娘です
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今日ものどかな日々。
ダムド王国の端に位置する小さな村は今日も、静かで平和なはずだった。
代り映えはしないものの、落ち着いた生活に私は満足していた。
しいて言うなら、出会いがないので二十歳になった今も一向に結婚の話がない事だろうか。
私の友達もすでにほかの村に嫁に行き、私の世代で結婚していないのは私一人になってしまった。
遠い昔、幼馴染がこの村を離れるときに言った言葉は良き思い出になっている。
「僕、りっぱな魔術師になるよ。そうなったらカエラを迎えに来るね」
まさか、その言葉が本気だったなんて思っていなかったんだ。
彼が言葉通り大人になり、立派な魔術師として十五年ぶりに私の目の前に現れるその時まで……。
過去と再開までが一話にあたります。