貢ぎモノ姫の宮廷生活 ~旅の途中、娼館に売られました~
「何故、笑うんです?」
と訊くと、ジンは、
「お前が笑ったからだ」
と言う。
笑いましたか? 今、私。
自覚はなかったのだが、ジンは微笑み、アローナを見つめてくる。
「なかなか式ができなくてすまんな。
もう少し国が落ち着かないとな。
追いやった父も相変わらずだし」
は、はあ、と言いながら、見つめないでくださいっ、そんな間近でっ、と逃げ腰になるアローナにジンは訊いてきた。
「ところで、何故お前は、そんなに往生際悪く抵抗しようとするのだ。
国に誰か好きな男でもいたのか」
「いいえ」
「ならば、私が好みの男ではないのか」
「いいえ」
ジンは沈黙した。
「……お前が私に抵抗する、その理由はなんだ?」
「なんなんでしょうね……?」
そういえばない。
よく考えれば、抵抗する理由など何処にもなかった。
美しい瞳と髪に、厚い胸板。
若さと知性溢れる美貌。
「想像していた未来と違いすぎて、ついていけてないだけなのかもしれません」
とアローナは素直に胸の内を吐露する。
と訊くと、ジンは、
「お前が笑ったからだ」
と言う。
笑いましたか? 今、私。
自覚はなかったのだが、ジンは微笑み、アローナを見つめてくる。
「なかなか式ができなくてすまんな。
もう少し国が落ち着かないとな。
追いやった父も相変わらずだし」
は、はあ、と言いながら、見つめないでくださいっ、そんな間近でっ、と逃げ腰になるアローナにジンは訊いてきた。
「ところで、何故お前は、そんなに往生際悪く抵抗しようとするのだ。
国に誰か好きな男でもいたのか」
「いいえ」
「ならば、私が好みの男ではないのか」
「いいえ」
ジンは沈黙した。
「……お前が私に抵抗する、その理由はなんだ?」
「なんなんでしょうね……?」
そういえばない。
よく考えれば、抵抗する理由など何処にもなかった。
美しい瞳と髪に、厚い胸板。
若さと知性溢れる美貌。
「想像していた未来と違いすぎて、ついていけてないだけなのかもしれません」
とアローナは素直に胸の内を吐露する。