貢ぎモノ姫の宮廷生活 ~旅の途中、娼館に売られました~



 男たちは船を直すチームとアローナとともに小さな家を作るチームに分かれた。

 男たちはアローナの指示で木を切り倒し、葉を刈る。

 ある者は湾曲させた細い木や枝で、ドームのようなものを作り、またある者は大きな葉の根元に切り込みを入れた。

 葉は何百枚と用意しなければならないのだが、さすが盗賊たちは手際がいい。

 使える盗賊だな~と思いながら、アローナは彼らとともに切り込みを入れた葉を下から先に木のドームに引っかけていく。

 すべてを引っかけたあと、さらに大きな葉を周りに立てかけ、その辺にあったツルで縛る。

「おお、家ができましたぞ、アローナ様っ」

「狭いですけど。
 これ、何個か作りましょう」
とアローナが言うと、おおーっ、と船を直していた者たちからも歓声が上がった。


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