貢ぎモノ姫の宮廷生活 ~旅の途中、娼館に売られました~
「居所を買えとはどういう意味だ」
とジンがシャナに訊くと、
「実はアローナ様から便りが来まして。
この伝書オウムを難破して漂着した島まで連れてこいと」
とシャナは言う。
おお、とアハトたちが声を上げた。
「アローナ様は島に流れ着いていらっしゃるのかっ」
「居場所がわかったのはよかったが。
なんでアローナは私ではなく、お前に助けを求める?」
とジンが不満げに言うと、アハトが、
「そりゃ、ジン様から逃げたのに、ジン様に助けてを求めてくるわけないじゃないですか」
とズバッと言ってくる。
うっ、と詰まりながらもジンが、
「で、アローナはその伝書オウムとやらを何故、島に連れてこいと?」
と感情を抑え、シャナに訊くと、
「伝書させて、助けを呼ぶみたいですよ」
と急かしているような鷹に頭をつつかれながら、シャナは言ってきた。