貢ぎモノ姫の宮廷生活 ~旅の途中、娼館に売られました~
「……それ、インコ持ってったお前がついでに助けてくればいいんじゃないのか?」
「そうなんですけどね。
なんだかわかりませんが、まあ、アローナ様なんで」
なにが起ころうとも、アローナ様なんで、と流しそうな雰囲気でシャナは言ってくる。
「どうされますか?
今、ジン様がアローナ様の居場所を買わなければ……」
「買わなければ?」
「レオ様――」
「なにっ?
父上にアローナの居場所を売るというのかっ」
「いえ、レオ様もご存知なので、今度はレオ様が売りに来ると思いますよ」
「どういう状況だ……」
アハトが、
「つまりは、ジン様が助けに行かなければ、誰もアローナ様を助けには行かないと言うことですね」
と言ってくる。
確かに。
シャナは本当にインコだけ渡して帰りそうだし。
レオも自分で兵を出してくれそうにはない。
っていうか。
そう言うということは、お前も助けには行かないんだな……とアハトを見ながら、ジンは思った。
アローナの居所が知れたので、アハトはもう落ち着き払っている。
こっちは顔を見るまで心配で夜も眠れそうにないのに、と思うジンにシャナが言ってきた。
「ジン様、すぐに助けに行かれてもいいんですけど。
伝書インコが助けを呼びに来てからにしてくださいよ」
上陸せずに船で待っててください、とシャナは言う。