貢ぎモノ姫の宮廷生活 ~旅の途中、娼館に売られました~
「盗賊どもがオアシスの辺りからさらってきたらしいですよ。
 あの異国の服からして、旅人なのでしょうが。

 ま、金さえ払えば返してやってもいいのですが。
 なにせ、しゃべれないし、この国の言葉を書くこともできないようなので」

 ほう、とアハトは笑う。

「しゃべれないなら、都合がいいな。
 余計なことを言わないから」

「まあでも、賢そうな娘なので、すぐに此処の言葉を覚えて書き始めるかもしれないですよ」

 そうエメリアは言った。


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