貢ぎモノ姫の宮廷生活 ~旅の途中、娼館に売られました~


「実は……」
とフェルナンは勝手に告白しはじめた。

「いとこを人質にとられているのだ。
 此処ぞというときに裏切れと脅されている。

 だが、その此処ぞと言うときがわからない」

 ……人選間違えたな、敵、とアローナは思った。

「娘よ。
 お前はアハト様にジン様を殺せと命じられているのか?」

 アローナは首を振る。

「ほんとうか?」

 アローナは頷いた。

「……私ひとりが告白してしまったではないか」

 そうですね。
 私が暗殺の依頼人なら、貴方に後ろから飛び蹴り食らわしてますね。
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